カンヌ会見でのクエンティン・タランティーノとマーゴット・ロビー
 - John Phillips / Getty Images

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 第72回カンヌ国際映画祭で行われた映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の公式会見でのクエンティン・タランティーノ監督の振る舞いは不適切なものだったのか否かという点で、インターネット上で議論が紛糾している。

 1969年にカルト集団マンソン・ファミリーが起こした女優シャロン・テート殺人事件という史実を前提に、落ち目のテレビ俳優リック(レオナルド・ディカプリオ)と長年にわたる彼のスタントマンで親友のクリフ(ブラッド・ピット)の姿を描いた本作。シャロン役は『スーサイド・スクワッド』や『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』のマーゴット・ロビーで、会見で女性記者から「あなたはとても才能のある女優を起用しました。でも、彼女にあまりセリフを与えませんでした。なぜなのでしょうか?」と聞かれたタランティーノ監督は、「あなたの仮説は受け付けません」と回答を拒否した。

 これが「タランティーノが女性の役に関する質問にキレた」などとセンセーショナルに報じられることになった。確かに少しピリついた空気にはなったが、タランティーノ監督は他の男性記者からの「悲劇的な運命をたどったシャロン・テートら実在の人物を描くことにためらいはなかったか?」「(シャロンの当時の夫)ロマン・ポランスキー監督と本作について話し合ったか?」といった質問にも「ノー」と一言で回答を打ち切っており、前述の女性記者に対する対応だけが辛辣というわけでもなかった。

 インターネット上では「全然キレていない。フェイクニュースだ」「タランティーノにしたらすごく丁寧」「そもそも質問がバカげている」という擁護派と、「失礼でもないし、シンプルな質問じゃないか」「彼は確かに(『キル・ビル』をはじめ)過去に女性にちゃんとした役を書いている。だからといってただ自分の仕事をしている女性ジャーナリストに対してプロらしくない振る舞いをしていいのか? そんなワケない」という批判派で議論が紛糾することに。「彼女はこの質問をする権利があるし、彼にはそれはバカげていると言う権利もある」という意見もあった。

 なお、この一件で株を上げたのがシャロン役のマーゴットだ。空気が悪くなったのを察知するや、「わたしは常にキャラクターについて研究するとき、そのキャラクターがストーリーにおいてどのような役割を担っているか考えます」と切り出し、「本作においてわたしのシーンは、シャロンさんに敬意を示すものになっています。究極的にはこの悲劇は純真さが失われたことを意味していて、彼女の素晴らしい面は言葉を発することなく十分に示すことができたと思います。時間をかけてこのキャラクターを掘り下げることができたし、セリフに頼らずそうするのは俳優として興味深い経験でした。わたしが望んだものは、ちゃんとスクリーンにもたらせたというふうに感じています」と丁寧かつスマートに答えて称賛されている。(編集部・市川遥)

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は8月30日より全国公開
第72回カンヌ国際映画祭は現地時間5月25日まで開催