赤坂プレスセンターのヘリポートは要人輸送の際に使われる。写真は2014年にヘーゲル国防長官が横田基地から到着した時の様子だ(写真は国防総省ウェブサイトから)

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米国のトランプ大統領は2019年5月25日夕方、専用機で羽田空港に到着予定だが、滞在中はヘリも重要な移動手段になりそうだ。その拠点になるのが、東京・六本木にあるヘリポートだ。米軍基地「赤坂プレスセンター」施設の一部で、たびたび要人輸送に利用されている。

トランプ氏は千葉県茂原市のゴルフ場や、海自横須賀基地を訪問予定だが、長距離を自動車で移動するとなれば、警備の負担も大きい。そのため、この「都心の米軍基地」からヘリで移動する見通しだ。

マイケル・ジャクソンもここからヘリに乗った

「赤坂プレスセンター」は、元々は1889年に旧陸軍が設置した駐屯地だったが、1945年に米軍が接収。11年に4700平方メートルが返還されたが、今でも約2万7000平方メートルがヘリポート、宿舎、米軍準機関紙「星条旗新聞」のオフィスとして使用されている。米軍では「頑丈な兵舎」の意味を持つ「ハーディ・バラックス」(Hardy Barracks)の名称で知られる。

07年に歌手の故・マイケル・ジャクソン氏が来日した際には、赤坂プレスセンターからヘリに乗って在日米軍のキャンプ座間を訪れ、関係者を慰問したことで知られる。19年5月22日には、米軍ヘリ5機が飛来。そのうち1機には、大統領専用機を示す「VH-60N」の表記が確認できた。トランプ氏を乗せるためのリハーサルだとみられる。

「在日米軍にとって、都心における唯一の人員輸送の拠点」

周辺は青山霊園や新国立美術館に囲まれている。六本木ヒルズの展望台からも見下ろすことができる。周辺住民は騒音被害や事故のリスクを訴えており、所在地の港区と港区議会は施設の撤去を求めている。13年4月の国会審議では、外務省の伊原純一北米局長(当時)は、

「在日米軍にとって、都心における唯一の人員輸送の拠点としての重要性を持っており、この施設の全面的な返還は困難」

と答弁している。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)