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●超超ワイド4Kディスプレイ! Xperia 1

NTTドコモから登場した2019年夏スマホ。総務省から通信プランと端末価格の分離が強く指導される中、新たな購入方法の発表にも注目が集まっていたが、こちらも新たに「スマホおかえしプログラム」が提示されるなど、盛り沢山な内容だった。2019年夏モデルとして発表された13機種の見どころを、実機のタッチ&トライを通じて解説しよう。今回はハイエンド編として、5機種6モデルを紹介する。

○こだわりの性能を見よ! ハイエンドライン5機種6モデル

まずは「ハイエンド」と分類された、約10万円前後になる上位機種だ。今回はファーウェイのP30 Proを除いた4機種がSnapdragon 855を搭載し、最大下り通信速度1,576Mbps・上り通信速度131.3Mbpsを実現している(P30 ProはKirin 970搭載、988Mbps)。各種クリエイティブ用途からゲーミングまで、性能にこだわるハイエンドユーザー向けの端末で、新しい端末購入補助「スマホおかえしプログラム」の対象にもなっている。

これまでの端末購入補助がある状態であれば人気を集めること間違いなしのラインナップだが、実は支払総額は月々サポート時代よりも増える場合がある。そのことがどの程度売れ行きに影響するかが気になるところだ。ちなみに、全モデルがUSB Type-Cポートを採用している。

○ソニー「Xperia 1」(SO-03L)

2019年6月1日発売

オンライン販売額:103,032円

36回払い時の月額支払額:2,862円

「スマホおかえしプログラム」24回支払い時総額:68,688円

ソニーの「Xperia」シリーズの新たなフラッグシップとなるのが「Xperia 1」だ。2019年2月のMWC2019でワールドワイドデビューを果たし、すでにauからも発表済みだが、ドコモからも発売される。

これまでのフラッグシップであったXperia XZ2 Premiumや、最新モデルのXZ3と比較すると、画面サイズはXZ2 Premiumの16:9・5.8インチ/4K(3,840×2,160)、XZ3の18:9・6.0インチ/QHD+(2,880×1,440)から、21:9の超ワイド画面比で6.5インチ/4K(3,840×1,644)となった。同じ4Kとはいっても、画素数としてはXZ2 Premiumよりも1のほうが25%近く少なくなっている。

21:9という画面比は、横にすると映画館のスクリーンの比率(シネマスコープ、12:5)にほぼ相当するという(21:9のタテヨコ比は2.33、シネマスコープは2.4)。人間の視界をほぼ占有するため、高い没入感が得られるとされており、PC用ディスプレイでもこの比率のものが登場している。

この縦長画面を映像再生以外でも生かすため、Xperia 1には上下に1つずつアプリを起動する「21:9マルチウィンドウ」機能が搭載された。ただ、元々AndroidにはAndroid 7(Nougat)からマルチウィンドウ機能があり、従来のXperiaシリーズもサポートしている。Xperia 1の21:9マルチウィンドウは起動方法が従来と異なるなど、使い勝手を向上させたもの、という位置付けのようだ。

実際手に持ってみると、確かに大きいのだが、6.5インチというディスプレイサイズを超ワイド画面比で稼いでいるぶん、幅はむしろ小さめ。感覚としても実測値としても、5.5インチクラスの端末といった感じだ。ただし縦には本当に長いので、「受話器を持っている」といった感じが強い。

カメラは最近の流行に合わせ、アウト側3カメラ体制になった。さらに光学・ソフトウェア併用のハイブリッド手ぶれ補正や従来から定評ある暗所撮影の画質向上、世界初の瞳AFや10fpsものAF/AE追従連写など、カメラ機能は非常に充実している。

こうした高い撮影能力は動画にも波及しており、Xperia 1は付属アプリ「Cinema Pro」で映画館品質の4K HDR動画が撮影できるというのがウリの一つだ。

以前のモデルでは4Kディスプレイ非搭載モデルでも、長時間撮影していると熱で動作が不安定になりがちだったが、Xperia 1ではゲームでの利用なども考えて放熱対策も進んでいるとのことなので、実用的な時間で撮影できると期待できるだろう。せっかくなら、Xperia 1で撮影した動画のコンテストなど開催されたら面白そうだ。

このほかゲームプレイ中はメモリを自動解放したり、通知をオフにするなど設定を最適化する「ゲームエンハンサー」を搭載するなど、ゲームプレイに特化した機能も搭載。なんだかんだでハイエンド端末の需要としてはゲーム用途が大きいと感じられるので、こうした機能は嬉しいところだ。

国内では根強い人気のあるXperiaシリーズの新フラッグシップということで期待も大きそうだが、大看板を担うにふさわしい仕上がりだと感じられる。新料金プランと合わせて、夏モデルの人気機種になりそうだ。

●ほかのスマホにワイヤレス充電! Galaxy S10

○サムスン「Galaxy S10」(SC-03L)

2019年6月1日発売

オンライン販売額:89,424円

36回払い時の月額支払額:2,484円

「スマホおかえしプログラム」24回支払い時総額:59,616円

サムスンの「Galaxy」シリーズからは最新世代となる「S10」が登場した。2018年の「S9」と比べると、画面左右がほぼ完全にフチなしなのはS9同様だが、上下のフレームも非常に薄くなっており、ほとんどフレームレスな見た目を実現している。

ディスプレイサイズはS9の5.8インチから6.1インチへと拡大しており、ディスプレイの幅が80ピクセル増えている(2,960×1,440→3,040×1,440)ほか、メモリがRAM・ROMとも倍増しているなど着実にスペックアップしている。一方で本体サイズは縦2mm・幅1mm増えているものの、厚みは逆に0.7mmほど薄くなり、重さも約3gの軽量化に成功するなど、実質ほぼ現状維持となっている。

カメラ機能は流行の3カメラ構成で、並び方は横並び(横持ちした時に縦に並ぶともいえる)。インカメラ側は1,000万画素で、こちらは「デジタル一眼レフ並」をうたう、デュアルピクセル撮像素子搭載。セルフィー撮影にも力が入っている。

面白い機能としては、本体が充電するときだけでなく、本体内蔵のバッテリーを使って無線充電機能「Qi」に対応した機器に対して給電できるワイヤレス給電機能がある。

主にワイヤレスイヤフォン「Galaxy Buds」のような周辺機器への充電を想定しているようだが、スマートフォン同士での充電も可能。旅先などで、USB充電器でS10を充電しつつ、ほかの人のスマートフォンを無線充電してあげることもできるので、かなり便利そうだ。

このほか、会場ではあまり強く訴求されていなかったが、実は画面内指紋認証機能も搭載しており、顔認証と指紋認証のダブル認証が可能。セキュリティ面でも最先端の一台となっている。引き続き根強い人気をキープし続けるだろう。

●最強のゲーム端末! Galaxy S10+ 五輪モデルも

○サムスン「Galaxy S10+」(SC-04L)

2019年6月1日発売

オンライン販売額:101,088円

36回払い時の月額支払額:2,808円

「スマホおかえしプログラム」24回支払い時総額:67,392円

Galaxy S10の画面サイズ強化版が「Galaxy S10+」だ。画面サイズは6.4インチと、S9+(6.2インチ)から0.2インチ強化された。

Galaxyシリーズのフラッグシップモデルは「Galaxy Note 9」となるが、画面サイズが同じ6.4インチで、メモリはS10+のほうが多く、それでいてサイズ・重量共にS10+のほうが小さいなど、ペン操作を除いてはほぼS10+のほうが上回っている。実質の新フラッグシップモデルと言って差し支えないだろう。

基本的な性能はS10に準じるが、サイズ拡大を生かしてバッテリー容量も4,000mAhと強化。ワイヤレス給電機能もさらに実用的だろう。S10との違いとしては画面サイズのほか、インカメラに深度カメラが追加される。深度カメラはセルフィー撮影時に被写体と背景を識別して効果を加える際などに役立つようだ。

S10と共通になるが、Dolby Atmos対応のスピーカーシステムなど、アウトプット方向の性能はかなり高い。またS10+にはベイパーチャンバー冷却システムを搭載する(S10はヒートパイプ)など、ゲーミング向けに冷却システム周りも最適化。大画面・高品質オーディオ・大容量バッテリーと合わせてゲーム向けに最適な一台に仕上がっていると感じられた。ハイエンド端末をゲーム目的で選ぶなら、ぜひ選択肢に挙げたい。

○1万台限定の五輪モデル:サムスン「Galaxy S10+ Olympic Games Edition」(SC-05L)

2019年7月下旬発売

オンライン販売額:114,696円

36回払い時の月額支払額:3,186円

「スマホおかえしプログラム」24回支払い時総額:76,464円

来年開催される東京オリンピックに向けて、オンラインのみ・1万台限定で販売される特別モデルがこの「Galaxy S10+ Olympic Game Edition」。専用のカラーに加え、特製の壁紙などが付属するほか、同一カラーの「Galaxy Buds」が付属する。特別性能が高いなどのカスタマイズが行われているわけではないが、最初からハイエンドなS10+ベースだけに、その点は問題ないだろう。

●新IGZO液晶で外でもクッキリ! AQUOS R3

○シャープ「AQUOS R3」(SH-04L)

2019年6月1日発売

オンライン販売額:89,424円

36回払い時の月額支払額:2,484円

「スマホおかえしプログラム」24回支払い時総額:59,616円

シャープの「AQUOS」シリーズのフラッグシップモデルが「AQUOS R3」だ。前モデルの「R2」と比べると、画面サイズが6インチから6.2インチへと若干アップ。これは画面上側はカメラ部を、下側はボタンをそれぞれノッチで切り抜いて画面の表示域を広げた結果で、本体サイズ自体はR2と変わっていない。

液晶パネルはIGZOからプロ仕様のIGZO Proへと変更され、約10億色表示の表現力を備えた。IGZO自体がもともと表現力が高いパネルだが、特に暗部などの微妙な色表現が改善され、有機ELと遜色ない表現力に仕上がっている。

またバックライトの透過率が高くなったことで、R2よりも約2倍明るくなっており、特に太陽光などの強い直射光が当たるような環境でも、濃淡差を見分けやすくなっている。リフレッシュレート120MHzのなめらかな表示もIGZOパネルの魅力のひとつだ。

カメラ部はR2譲りのデュアルカメラで、動画カメラと静止画カメラに分かれており、動画撮影中もAIが自動でシャッターチャンスに合わせて静止画を撮影する「AIライブシャッター」を搭載。

また撮影中は常時フレームをメモリに記録しており、シャッターボタンをタップした際にほぼタイムラグなしにシャッターチャンスを切り取れるようになった。光学式手ぶれ補正と相まって、静止画撮影にもかなりの性能を発揮しそうだ。

AQUOS R3は、たとえばXperia 1のようなスペック的な派手さはないものの、全体的に手堅く、かなり練りこまれている印象を受けた。AQUOSシリーズといえばSIMフリーではかなりの人気機種になっているが、ハイエンドでもその魅力は健在、といったところだろうか。

●最強Leicaクアッドカメラ! HUAWEI P30 Pro

○ファーウェイ「HUAWEI P30 Pro」(HW-02L)

予約停止中(発売時期未定)

オンライン販売額:89,424円

36回払い時の月額支払額:2,484円

「スマホおかえしプログラム」24回支払い時総額:59,616円

昨年のスマートフォン市場で、カメラ性能の高さで市場を席巻したファーウェイの「P20 Pro」、その後継機となる「P30 Pro」が夏モデルとして投入された。残念ながら、米政府の許可なく米企業から部品の調達などを禁止するエンティティーリストにファーェイが追加されたため、現在は予約停止・販売延期となっている。ただ、今後販売を再開する可能性もゼロではないことから、今回のファーストインプレッションに追加しておこう。

P20 ProではLeicaブランドのトリプルカメラが話題となったが、P30 Proではさらに1つ加えた「クアッドカメラ」を搭載している。

画面サイズは6.5インチで、上下左右に限界まで枠を狭めたフレームレスデザイン。上部はインカメラ部の水滴型ノッチが採用され、画面上をなるべく隠さないように大画面を活かせるようになっている。

解像度自体はフルHD+(2,340×1,080ピクセル)と、ハイエンドクラスでは最も低解像度。この画面上には、画面自体が振動してスピーカーとなるアコースティックディスプレイ技術のほか、画面下部にはGalaxy S10シリーズ同様のスクリーン内蔵式の指紋認証機能も搭載。本体背面などを使うことなく、ディスプレイ上で指紋認証が行える。

撮影中に少し気になったのが、リフレッシュレートの関係か、画面撮影時に走査線のようなムラが出てしまった点。見た目にはそれほど気にならなかったが、もしかするとゲームなどプレイする際に少し気になるかもしれない。

目玉となるカメラ機能は、2,000万画素の超広角カメラ、4,000万画素の広角カメラ、そして800万画素の5倍ズームカメラに加え、深度測定カメラ(ToF)が追加された。深度カメラを含めて4カメラと言えるのかは若干疑問ながら、1cmマクロを含め、超広角から5倍ズームという幅広い画角をカバーできるだけでなく、ARなどにも活躍するシステムを構築できているのは特徴的だ。

さらにISO感度も409600(!)と、これまで高感度スマホの代表格だったXperia XZ 2シリーズの51200と比べても3段上、デジタル一眼も含めれば、ソニー「α7SII」級の高感度だ。これなら、肉眼でほぼ暗闇に見えるシーンでも、昼間のように明るく写るだろう。実際の夜景撮影は試していないため、ノイズなどの実用性はグローバル版のレビューに譲るとして、カメラ最強スマホの座は引き続きP30 Proが占めることになりそうだ。ただ、繰り返すがP30 Proは現在予約を停止しており、発売時期未定のステータスとなっている。一連の事態が早く落ち着くことを期待したい。