神出鬼没の覆面芸術家バンクシーが、自分の公式インスタグラムに新作を公開した。場所はイタリアのベネチアで、タイトルは「ベニス・イン・オイル」だ。

動画では、青いコート姿の男性が登場。額に入った9枚の油絵を路上で並べて組み合わせると、ベネチアの運河に浮かぶ小さなゴンドラと巨大なクルーズ船という絵画になった。

ベネチアでは近年、重油を燃料とする大型クルーズ船による環境問題が深刻化しており、作品はその風刺とみられる。通り過ぎる人が絵に興味を示すなか、男性は作品の横に置いた椅子に腰かけている。顔を隠すようにして新聞を読んでおり、この男性がバンクシーなのだろうか。

しばらくして、警察官がやってきて「許可がないなら立ち退いてください。ここにいてはだめですよ」と注意し、男性が作品を撤去するまでの一部始終が動画に収められていた。

メッセージ付き「国際美術展に招待されなかったので自分で展示」

ベネチアでは11日(2019年5月)から世界的に有名な国際美術展「ベネチア・ビエンナーレ」が開催されていて、バンクシーは動画とともに「ベネチアで開催の芸術の祭典に招待されなかったため、自分で展示場所を作った」と皮肉コメントを投稿した。

犬山紙子(イラストエッセイスト)「日本でもこうやって報じられることが、まさにバンクシーの思惑通り。有名な芸術祭に招待されるよりも、全世界に彼の問題提起が広がっていると思うと。うまいなあという印象です」