錦織 これまでの「全仏オープン」戦績。今年の鍵は序盤の体力温存か

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いよいよ5月26日から開幕する、赤土のグランドスラム「全仏オープン」。錦織圭(日本/日清食品)は、同大会本戦は9回目の出場を予定している。錦織は2019年のクレーシーズン、ここまでは6勝4敗だ。さらなる活躍が期待される「全仏オープン」のこれまでの戦績を振り返って紹介する。

■「全仏オープン」最高成績はベスト8


錦織は「全仏オープン」本戦へ過去8回出場しており、今年で9回目となる。最高成績は、2015年、2017年のベスト8。なお、グランドスラム全体でみれば2014年の「全米オープン」準優勝が現在の最高成績となっている。


「全仏オープン」での準々決勝進出時にはそれぞれ、2015年は地元選手のジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)、2017年は当時世界1位だったアンディ・マレー(イギリス)にベスト4入りを阻まれてきた。


■直近2018年は、次世代クレーキングと目されるティームと激突


前年2018年は錦織にとって、右手首の怪我から復帰後約11ヵ月ぶりのグランドスラム大会だった。


1回戦から地元フランス勢との3連戦。完全アウェーの難しい雰囲気のなか、特に2回戦の難敵ブノワ・ペール(フランス)とはフルセット2時間59分を戦い抜いての勝ち上がりだった。錦織本人は3回戦後「毎回地元フランスの選手と戦うのは大変だったが、たくさんのサポートはすごく力になった」と集まった日本人の観客に感謝していた。


ところが迎えた4回戦、当時世界8位のドミニク・ティーム(オーストリア)にこの時初黒星を喫した。ティームはその時点でクレーコートのタイトルを8個獲得していて、すでに次世代クレーキングと目されていた。錦織は2-6、0-6で2セットを一気に落とすと、第3セットは取り返したものの第4セットで力尽きた。


「こういう形で負けるのは悔しい」と話したその時の錦織、その悔しさをぜひ今年にぶつけてほしい。


■今季クレーシーズンはやや苦戦の錦織、鍵は序盤の体力温存か


錦織は直近の「ATP1000 ローマ」で、雨天順延の影響により2・3回戦を同日に行い勝ち上がった。しかし、その翌日の準々決勝では疲れからか精彩を欠き敗れた。また、1月のグランドスラム「全豪オープン」では1回戦、2回戦、4回戦で5セットを戦い、準々決勝では力尽き第2セット途中で棄権となった。


「全仏オープン」のレッドクレーでは球足が遅くラリーが長くなりやすいため、よりタフな戦いが求められると言われている。いかに序盤は体力を温存しつつ快勝できるかも、上位進出の鍵となるだろう。


ローマでの敗退後、錦織は「(4月の)モンテカルロから見て、日に日に良くはなってきているので、フレンチ(全仏オープン)に向けてまた気持ちを切り替えていくしかないかなと思います」「しっかり練習して、自信をつけて臨めたらなと思います」と前を向いている。


タフな大会、タフなラリーの中で、錦織の素晴らしいプレーが観られることに期待したい。


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■錦織の「全仏オープン」過去戦績


2010年 本戦初出場・2回戦:2回戦の対戦相手・ノバク・ジョコビッチ(セルビア)
2011年 2回戦:2回戦の対戦相手・セルゲイ・スタコウスキー(ウクライナ)
2013年 ベスト16:4回戦の対戦相手・ラファエル・ナダル(スペイン)
2014年 1回戦:1回戦の対戦相手・マルティン・クーリザン(スロバキア)
2015年 ベスト8:準々決勝の対戦相手・ジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)
2016年 ベスト16:4回戦の対戦相手・リシャール・ガスケ(フランス)
2017年 ベスト8:準々決勝の対戦相手・アンディ・マレー(イギリス)
2018年 ベスト16:4回戦の対戦相手・ドミニク・ティーム(オーストリア)


テニスデイリー編集部)


※写真は「ATP1000 ローマ」での錦織
(Photo by Adam Pretty/Getty Images)