カスタマイズモデルがグッと身近な存在になった

 ひと昔前まではクルマのカスタマイズといったら、クルマを購入してから行うものというのが当然の行為だった。それだけに納車待ちの間に雑誌を見ながら、どんなパーツを装着しようかと妄想する時間を楽しんだ人も多かったのではないだろうか?

 しかし、最近ではメーカー純正のカスタマイズモデルが多くリリースされている。それもちょっと見た目を変更したレベルではなく、エアロパーツから足まわり、なかにはエンジンにまで手の入ったものが登場しているのだ。トヨタのGRシリーズ、日産のNISMO、ホンダのModulo Xなどが代表的なところだろう。

 このようなメーカーコンプリートのカスタマイズカーは、はたして買い得なのだろうか? メリットとデメリットをチェックしてみたい。

■メリット

 やはり一番のメリットはカスタマイズした状態がメーカー純正であるということだ。メーカー純正ということは一般的な保証の対象となるわけで、万が一トラブルが発生した場合でも無償修理が受けられる。当然アフターパーツに関してはメーカー保証は受けられないし(パーツ単位の保証がある場合はあるが)、アフターパーツを装着したことによって生じたトラブルも当然保証してもらえないから、メーカー純正である安心感は格段に上と言えるだろう。

万人向けなので尖った仕様は難しい……

 また、アフターパーツを装着する場合の多くは、純正部品を外してから装着するので、当然脱着の工賃が別途発生してしまう。それに対してメーカー純正カスタマイズモデルについては、出荷状態ですでにカスタマイズパーツが装着されているので、当然ながら工賃が発生しないのだ。

 恐らく、コンプリートカーに装着されている部品を別に用意してベース車に装着したのなら、とてもではないが新車で販売されている価格に収めることは難しいだろう。そういった意味では非常にお買い得と言える。

■デメリット

 では、デメリットがないのかと言えばそうとも言い切れない。いくらコンプリートカーとはいえ、不特定多数の人が乗ることを想定しているため、どうしても余裕を持った仕様になってしまう。例えば過去に販売されたモデルで、フルバケットシートを標準装備した車種があったのだが、さまざまな体格の人を想定した結果、細身のユーザーではフルバケなのに体が動いてしまう、というようなことがあったのである。

 また、メーカー純正カスタマイズモデルということで、当然まったく同じ仕様の車両が街中を走っていることになる。ベース車に比べれば少数だろうが、オンリーワンを求めたい人には不向きと言えるかもしれない。