約2.9億円 稀少フェラーリ288GTO、盗まれる ドイツで盗難 その手口は
もくじ
ー エディ・アーバインの元所有車
ー どのようにして盗まれたのか
エディ・アーバインの元所有車
かつて「クラシック&スポーツカー」誌の表紙を飾った1985年型フェラーリ288GTOが、試乗中に盗難に遭い、翌日警察によって発見された。
この超稀少な跳ね馬は、「クラシック&スポーツカー」2003年6月号で、ポルシェ959と共に特集された。
ドイツ・デュッセルドルフのディーラーは、元F1ドライバーのエディ・アーバインが所有していたこの288GTOに、235万ユーロ(約2.9億円)という値段を付けて販売中だった。だが、取引は苦い結果に終わる。
最高出力400psの288GTOは、フェラーリ製スーパーカーの中でも最も稀少な1台だ。生産台数はわずか272台。グループB規定のレース参戦を目的に開発されたが、完成前にこのカテゴリーが廃止されてしまったため、”単なる” 公道仕様車として市販された。
ピニンファリーナがデザインした288GTOは、間違いなくマラネッロ製スーパーカーで最も美しいマシンだろう。0-100km/hを4.9秒で加速し、最高速度は305km/hに達する。
そのV8ツインターボ・エンジンは、3年後に発表されたF40のベースとなった。つまり、F40は288GTOから生まれたと言っても過言ではない。
どのようにして盗まれたのか
このクルマの購入意思を示した顧客は、明らかにその魅力を熟知していたようだ。数週間にわたってディーラーと交渉を続けた後、試乗したいと申し出たという。
試乗が行われたのは5月13日の月曜日。最初はすべて順調だった。まずはディーラーの店員がこのロッソ・コルサのスーパーカーを運転していた。
しかし、運転を代わろうと彼がクルマから降りると、この容疑者はわずかなチャンスを逃さなかった。店員を車外に残したまま、どこかへ走り去ってしまったのだ。
幸いなことに、この走行距離わずか4万3000kmの288GTOは翌日の夕方、デュッセルドルフ近郊のグレーヴェンブローホという街にあるガレージに隠されていたところを発見されたと、「ヴェストドイチェ・アルゲマイネ・ツァイトゥング」紙は伝えている。
デュッセルドルフ警察は、現在も逃走を続けている容疑者の写真を公開している。