ホテル業者も、「サブスク」を活用する時代に――。

ITベンチャーのTRASTA(本社・渋谷区)が、全客室にサブスクリプション家具を導入したホテルをオープンさせた。大阪・中崎町の「STAY Vintage NAKAZAKI」、京都市下京区の「住亭(ステイ) SHIJO KARASUMA」の2施設だ。

同社の発表によれば、サブスク家具の全室導入は日本初の試み。家具・什器・備品にかかるコストを減らし、客室単価を下げる狙いがあるという。

では、はたしてサブスク家具を導入したホテルとはどんな場所なのだろうか。それを体感できるツアーが、2019年5月15日に開催された。TRASTAのCEO・木地貴雄氏のコメントも含め、ツアーの様子をご紹介しよう。

「サブスク」ホテルの実力は

ツアーではまず、5月13日にオープンしたばかりの大阪・STAY Vintage NAKAZAKIに集合。一行はサブスク家具を導入した「STAY」ブランドホテルのコンセプトなどの説明を受けた後、EAST・WESTの両施設をそれぞれ見学した。


STAY Vintage NAKAZAKI EASTの外観


STAY Vintage NAKAZAKI EASTのエントランス


客室の一例

STAYブランドのコンセプトについて説明したTRASTAのCOO・越島悠介氏は、IT機器のソフトとハードを例に、ホテルの建物を「ハード」、家具をはじめとしたブランド作りを「ソフト」と表現。サブスク家具の導入も、ソフトのアップデートを容易にするための一環といえるだろう。


「WEST」のエントランス


WESTの客室

STAY Vintage NAKAZAKIのテーマは「レトロ」。共有スペースには、昔懐かしいボードゲームや玩具も用意しているという。

続いて訪れたのが、4月27日オープンの京都・住亭 SHIJO KARASUMA。こちらは場所柄にあわせてか、日本をイメージした和風のデザインが特徴となっている。「日本を感じながら楽しめる宿泊施設」がコンセプトだそうだ。


住亭 SHIJO KARASUMAの入り口


和風の客室も


照明や障子など「和」をイメージさせる装飾が目を引く

両ホテルの見学の後は、TRASTAの木地氏と、「STAY」ブランドが導入したサブスク家具を展開するクラス社の久保裕丈社長によるトークセッション。この日見学したホテルの楽しみ方や、デザインのコンセプトなどに関する意見が交わされた。


木地氏(左)、久保氏(右)によるトークセッション

さらに木地氏は、今後のSTAYブランドの展開について、

「宿泊者、運営者ともに効率化を進めていきたい」

とコメント。具体的な施策についても。事前にスマホに宿泊情報を登録しておくことで、チェックイン時間が短縮できるサービス「CUICIN」を発表。まず自社ホテル限定で導入し、今後はサービスの外販も考えているという。