3試合連続ゴールを決めた京都MF仙頭啓矢

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[5.19 J2第14節 町田2-2京都 町田]

 京都サンガF.C.のMF仙頭啓矢は1-2で迎えた後半37分、味方のロングスルーパスに抜け出すと、相手GKとの1対1を冷静に制して同点ゴールを奪った。これで3試合連発。この日もアウェーゴール裏に『スーパー仙頭』の横断幕がはためいたが、まさしく“スーパー”の名にふさわしい結果を残し続けている。

 ここまで3試合無敗の京都は後半21分、ホームの町田に勝ち越しゴールを奪われる苦しい展開。だが、そんな窮地を救ったのがプロ3年目の24歳だった。同37分、FWジュニーニョのスルーパスにいち早く反応すると、自慢のスピードを生かしてラインブレイク。相手ディフェンスを避けて右にコースを取り、冷静にゴール左隅に流し込んだ。

「相手が食いついてきて裏が取れることは分かっていたし、ドリブルでGKの前まで運んで行こうかなと思っていたけど、GKのポジショニングが悪いのは分かっていた」(仙頭)。シュートシーンで光ったのはタイミング。ドリブルしながらもGK増田卓也の位置を見て、空いているコースを狙っていたという。

 これで第12節・横浜FC戦(○3-1)、前節の岡山戦(○2-1)に続いて3試合連続ゴール。仙頭が第11節で先発復帰してから負けなしが始まっており、好調のけん引役となっているのは間違いない。そんな仙頭が担う右サイドハーフは、左サイド偏重で攻撃を組み立てる京都において、あえて“孤立”することで持ち味を活かせるポジションだ。

「チームとして左で作っていくのは自分でも分かっているし、知哉(左サイドのMF小屋松知哉)が抜け出した時とかチェンジサイドが来た時に、しっかり仕掛けられるポジション取りをできるように意識している」。ボールが逆サイドにある時間帯は常に駆け引きし、ひとたびボールをもらえば爆発力を発揮。そうした役割が求められている。

 もっとも、現状の出来にも「個人としては結果が出ているのは良いけど、試合の中で修正していかないといけないことはある」と満足した様子はない。「チームとしてやるサッカーのビジョンが普段からしっかりしているし、そこが自分たちの強み。アイデアが出てくればもっと強いチームになれる」とさらなるレベルアップ向上を誓う。

 京都はシーズンの3分の1を終えた時点でプレーオフ圏内の5位をキープ。昨季の19位を考えれば大幅な躍進を見せている。覚醒中のアタッカーは「全然(昇格や優勝を)狙える順位にいると思うし、チーム全員が勝ち点3を狙っている。目の前の試合で勝ち点3を取れるよう、目の前の試合に集中していきたい」と一戦必勝の精神で残り2/3を戦うつもりだ。

(取材・文 竹内達也)