退任を発表したアッレーグリ監督。ホーム最終戦に向けC・ロナウドはチームメイトを鼓舞したとも。(C)Getty Images

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 ユベントスは5月17日、公式ホームページでマッシミリアーノ・アッレーグリ監督の退任を発表した。

 クラブからの決断を聞いたアッレーグリ監督は、17日のトレーニングの前に、練習場のジムで選手たちに退任を告げたという。その時の様子をイタリア紙『Corriere dello Sport』が伝えている。

 ホーム最終戦となる19日のアタランタ戦は、ユベントスにとってリーグ8連覇を祝う一戦であり、今シーズン限りでユニホームを脱ぐアンドレア・バルザーリにとっては本拠地でのラストゲームとなる。

 まず、アッレーグリ監督は選手たちに「素晴らしい一年の末に獲得したスクデットを祝うパーティーだ。素晴らしいパフォーマンスでサポーターと祝う必要がある」と叱咤したという。さらに、バルザーリを自身の横に呼ぶと、選手たちに、そのホーム最終戦をお祝いにしなければいけないと述べた。

 選手たちは笑顔になり、バルザーリに拍手を送り、冷やかしの言葉が浴びせられたそうだ。

 だが、次の一言で空気は一変する。指揮官が「それから、私のお別れゲームでもある」と口にしたからだ。

 冗談めかそうとした指揮官だが、もちろん、そうはならない。その時の様子を、Corriere dello Sport紙は、「一瞬にして選手たちから笑顔が消え、信じられないといった様子で指揮官を見つめていた。そして、アッレーグリの目は潤んでいた」と伝えている。
 
 記事によれば、アッレーグリの言葉を聞き、一部の選手はジムの外に出たそうだ。中には「俺も出ていく」という声も聞かれたという。また、3人の選手が涙を流し、クリスチアーノ・ロナウドは地面を見つめていたそうだ。

 その後、選手たちから拍手を受けたアッレーグリは、練習を始めるように指示。挨拶に来た一部の選手と抱擁をかわした。マッティア・デ・シリオ、ジョルジョ・キエッリーニ、サミ・ケディラ、レオナルド・ボヌッチ、そしてバルザーリらは、残念そうな表情を見せていたという。

 また、同紙は、C・ロナウドがトレーニング終了後、「アッレーグリ監督をしっかり送り出すために、アタランタ戦を素晴らしい試合にしよう」と、チームを鼓舞したと報じている。

 チャンピオンズ・リーグ出場権を争っている4位アタランタとのゲームで、C・ロナウドの言葉通り、指揮官に白星をプレゼントできることができるのか。ただの消化試合ではない、特別な一戦となるのは間違いない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部