弁護士・柳原桑子先生が、堅実女子の悩みにこたえる連載です。今回の相談者は忍田実里さん(仮名・34歳)から。

「新卒時から12年間勤務している食品関連メーカーは、副業厳禁です。メーカーかつ一般職なので、給料は安く34歳なのに手取りで20万円程度。以前クレジットカードの返済ができず、こっそり飲食店でバイトをしたら、そこに偶然ウチの役員が来てしまい、始末書を書かされたことがあります。

そこで相談です。先日、私は実家が経営する会社の役員になりました。実家は社員20人規模の建設業です。親の事業承継にまつわることと、相続対策だと言われて、もちろん無報酬です。

実家は東京から新幹線から1時間程度のところにあり、私は東京で好き勝手させてもらっているので、断り切れずOKしてしまったのですが、実印を押した後に、『会社にバレたらどうしよう』と今更ながら怖くなっています。

両親からは報酬名目ではなく、毎月帰省するたびに5万円もらっていましたが、これは手渡してもらっているので副業でもありません。このお金は、今まで通り手渡しで払ってくれると言っています。

おそらく、人事や総務に相談すればいいのでしょうが、以前のことがあるので心配です。もし、このことで解雇されることになったら、私はどうすればよろしいのでしょうか。

このことで解雇はされたくないので、そうなる前の予防策をお教えください」

弁護士・柳原桑子先生の回答は……!?

勤務先において副業を禁止しているということですが、副業を禁止する趣旨として重要なことは、「勤務先での業務に支障が出ないこと」だと考えられます。例えば、兼業により業務外での疲労の蓄積などで、勤務先の業務に悪影響が出たりすることや、勤務先のノウハウや取引先等を悪用する等は問題があります。

副業を絶対的に禁止するということは、これまでの判例上からも認められていないので、あなたが勤務する会社では「許可のない副業の禁止」を定めているものと思われますから、まずは就業規則等を確認し、そこで定められていることをきちんと確認してください。

そして、許可のない副業を禁止している場合には、やはり会社へ申請して許可を取るべきでしょう。勤務先の仕事に影響がないことや、会社に損害を与えないことをきちんと伝えることが、今後その会社の勤務を続けるにあたっても、必要になると思います。

実家は地方の建設業。勤務する会社は食品関連。業務内容は被らない。



■賢人のまとめ
就業規則を確認し、報告することが今後のためにもいいと思われます。

■プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/