何やら怪しい関係にしか見えないトランプ米大統領(右)とウッズ/(C)ロイター=共同

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 タイガー・ウッズが、今月7日にトランプ大統領から米国民間人に対する最高の「自由勲章」を与えられたニュースは世界中で話題になった。

トランプが完全復活“ゴル友”ウッズに大統領自由勲章授与へ

 ただ、2人のズブズブ関係を知る人々から、批判の声が上がっていることはあまり伝わっていない。

 何しろ2人の関係は古く、1997年に遡る。

 ウッズが初めてメジャーのマスターズに優勝すると、トランプ氏は自身が経営するニュージャージー州のカジノ「タージマハル」を宣伝するためにウッズを招待している。

 2014年にはトランプ氏が買収したフロリダ州ドラールにあるトランプナショナルGCのテープカットにウッズが登場し、その宿泊施設に「タイガーウッズ・ビラ」と命名した。

 同じ年には、タイガー・ウッズチャリティー・プレーオフの予選会をトランプのゴルフコースで開催しているのだ。

 そして今年暮れに中東ドバイでオープン予定のトランプ氏所有のゴルフコースのデザインもウッズが担当している。

 ゴルフ関係者の多くはウッズがトランプ氏の「ビジネスパートナー」とみているのだ。

 大統領は米国でファンが多いウッズ人気にあやかりたいという意図もあるのだろう。

 一方のウッズは、いくらトランプ氏が批判を浴びようと、「大統領が誰であろうと、(みんなが選んだ)その職と地位に対しては敬意を払わなければならない」と、いつも擁護している。ウッズのコース設計は1コース10億円で請け負っているともっぱら。

 セックススキャンダルや故障によって、長期ツアーを離脱した時期に、スポンサーも減り、コース設計の仕事も立ち消えになった。ウッズにとってトランプ氏は救いの手を差し伸べてくれ、金儲けができる大切なクライアントとも言える。

■「受賞すべきではなかった」の批判

 そして今回の自由勲章の授与にニューヨーク・タイムズは、「こんなことは考えられない」という大学教授のコメントを載せているし、ある民主党議員からは、「トランプは彼の相棒に賞を与えた。タイガーの前に、自由勲章をもらうべき人間がいくらでもいる」という辛辣な指摘も飛び出ている。

 これまでプロでは、J・ニクラス、A・パーマー、そして黒人のプロ、C・シフォードの3人に自由勲章が与えられているが、ニクラスが受章したのは65歳。

 そもそも、この賞は過去の実績に対してであり、現役のスポーツ選手に与えられるのは珍しい。実際、ウッズの受章は最年少だ。

 何やら受章したことで批判の声がタイガーの方にも向かっているように見える。

(ゴルフライター・吉川英三郎)