マナーの悪い参拝客や転売......「御朱印」をめぐる問題が元号の変わり目をピークに、さまざまな神社で取り沙汰されている。

「御朱印めぐり」はここ数年、女性を中心としたブームとなっていた。しかし「平成最後」「令和最初」の特別御朱印をもらおうと、普段御朱印めぐりを趣味としない人も寺社に殺到した。


寺社側も頭を悩ませている

GW期間中、宮司などの寺社関係者からは信じられないような「御朱印トラブル」の報告がSNSで相次いだ。

届いたのは2、30件の「御朱印帳」

福島県会津若松市・飯盛山の白虎隊5代目墓守である飯盛尚子さんは、自身が社長を務めるお土産屋「飯盛分店」で白虎隊の御朱印をすべて1人で書いている。2019年5月6日、「飯盛山 飯盛分店 白虎隊墓守自宅」(@iimoriyama)のアカウントで以下のようにフェイスブックで投稿した。

「御自身の御朱印帳を一方的に送られ、『平成最後のと令和最初のを書いて送り返して欲しい。当日の無用な混乱を避けるため当日はあえて行きません。』という方の御朱印帳が大量に届いております。現在、本来の業務を優先している為に御荷物はお預かりしたままで御座いますが、お時間が取れ次第何も書かずにスタッフから送り返す作業にとりかかるとのことです」

なんと自分の御朱印帳を送り付け、御朱印を書いて送り返すように言ってくる人がいたというのだ。Jタウンネットが17日に飯盛さんに取材したところ、2、30件ほどの御朱印帳が送られてきたという。

「『えーっ』と思いますよね。応援の手紙の中に、御朱印帳が入ったゆうパックとかが混ざってて...」

当時を振り返って、飯盛さんはこう話す。送り付けてくる人は「混乱を配慮してあえて行きません」と気遣うような素振りを見せているが、普通の感覚ではありえない行為。何も書かず送り返すという判断について、飯盛さんは「販売目的に何で書かなきゃいけない」と言い切る。

「そういう方は御朱印を集めなくていいよ」(飯盛さん)

書いたページを引きちぎって...


今年の「三社祭」では特別御朱印は頒布されない

そもそも4月30日と5月1日の御朱印は事前予約制にしており、3月30日の時点で予約受付を終了すると、フェイスブックと飯盛分店の公式サイトで公表していた。しかしそれを知らず訪れた人もおり、中には「なんで書いてくれないの」と苦情を言ってくる人も。飯盛さんによれば御朱印は「お守り」のようなもの。「一生懸命書かせていただいているので時間もかかります」と訴えた。

このような現状を明らかにしているのは飯盛さんだけではない。

到津八幡神社(福岡県北九州市)の宮司は、5月7日にツイッターを更新。御朱印を書いた後に「特別御朱印も欲しい」と言われ、「参拝の証として授与してますのでお一人様一つのみです」と応じた。すると参拝客は書いたページを引きちぎって「お返ししますから、特別御朱印を下さい」と言ってきたという。宮司は特別御朱印は渡さず、初穂料も貰わなかったという。

別府八幡宮(山口県山陽小野田市)の権禰宜(ごんねぎ)・渡邉司郎さんは5月3日、伊勢神宮(三重県伊勢市)で御朱印を貰ったという参拝客に、

「達筆で書かれた神社名も有難い言葉もイラストもカラフルな印を散りばめていることもなく、『奉拝』の字すらない。伊勢神宮は努力が足りないのではないか?」

と言われたと、ツイッターで明かしている。参拝客は、続けて「これではスタンプラリーと同じではないか」と発言。渡邉さんは「朱印」こそが本来大切なものであること、イラストやハンコ、有難い言葉や「奉拝」の字すらも無くて良いものであると説明したという。

浅草神社は「平成」「令和」の特別御朱印を頒布する際、マナーの悪い客がいたことを受け、5月16日〜19日の「三社祭」では特別御朱印を頒布しないと発表している。「暴言・恫喝また暴力に近い行為」をしていた人もいたといい、御朱印をもらう側のモラルが問題視されている。

(Jタウンネット編集部 笹木萌)