by Robert_LA

「飛行機が着陸時に使用する無線信号を、悪意のある者が解析することで、航空機を誘導するために使われるシステムが乗っ取られてしまう可能性がある」とノースイースタン大学の研究者チームが発表し、現行の飛行機着陸システムのセキュリティに警鐘を鳴らしています。

Wireless Attacks on Aircraft Instrument Landing Systems

(PDFファイル)https://aanjhan.com/assets/ils_usenix2019.pdf

Hackers can fake radio signals to 'hijack' aircraft landing systems, warn researchers

https://www.computing.co.uk/ctg/news/3075890/hackers-aircraft-landing-fake-radio-signals

研究チームは「現代の航空機は、通信・制御・ナビゲーションをいくつかの無線技術に大きく依存しています。私たちは多くの航空システムが持つ脆弱性を実証しました」と述べています。研究チームによると、近年は低価格なソフトウェア無線(SDR)の性能が向上しているにも関わらず、敵対的な無線攻撃に対する航空機着陸システムの安全性は確認できる限りではこれまで研究されていなかったとのこと。

研究の結果、機器システムの波形を分析すれば、600ドル(約6万6000円)ほどで市販されている機器を使って無線信号を偽装できることがわかったそうです。この手口を使えば、計器着陸装置に表示されるコース偏差インジケーターをリアルタイムで完全かつ微細に制御可能となるとのこと。



by StockSnap

研究チームは、X-Planeなどのフライトシミュレーターでテストした他、実際に航空機で使われている計器着陸装置でも実証したと報告しています。もしこの脆弱性が悪用されれば、攻撃者は着陸寸前の飛行機に「着陸やり直し」の指示を与えたり、視界の悪い状況で着陸帯ではない場所に誘導したりすることも可能になってしまうとのこと。

「GPSのような、フェールセーフシステムを含む可能な限りの対策について検討しましたが、いずれもセキュリティ的に十分保証されておらず、スケーラブルで安全な航空機着陸システムを実現するための課題があることが示されました」と研究チームは述べました。