休みの日でも制服で遊びに行くほど女子高生は制服を着ることにこだわりがあるようです(写真:Fast&Slow/PIXTA)

おしゃれ大好きな女子高生たちは、毎日メイクやヘアスタイルに余念がありません。もちろんファッションの流行にも敏感な彼女たちですが、遊びに行くときに選ぶ服はなんと「制服」。放課後だけでなく、休みの日でも制服を着てお出かけします。

女子高生の半数は休みの日でも制服

制服で遊ぶといえば、「制服ディズニー」を思い浮かべる人もいるでしょう。記事(『彼女たちはなぜ制服でディズニーに行くのか』)にも書きましたが、女子高生はJKブランドの価値を熟知しているため、「なんちゃって女子高生」が多いディズニーリゾートには、なおさら「現役女子高生としてのプライド」として制服を着ていくのです。


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ディズニーリゾートなど特別なレジャースポットに行くとき以外でも、女子高生は制服を着て遊びます。調査会社のテスティーが5月13日に発表した「制服に関する調査」によると、女子高生の50.2%が休みの日に制服を着て遊びに行ったことがあると回答しています。

行き先はディズニーリゾートを挙げている人が多かったのですが、映画や食事、ショッピングなど普通の休日にも着用している様子がうかがえました。

そして友人と出かけると、何をするかといえば「プリクラ」です。調査にも「制服プリを撮りたかったから!」との回答があり、79.5%の女子高生がプリクラを撮っていました。「高校生活は3年間しかないから今のうちにいっぱい着る」とのコメントも。それだけ制服は青春を象徴する大切なものだとわかりますね。

プリクラ機の人気機種は「PINKPINKMONSTER(ピンモン)」や「これ以上可愛くなってもいいですか(コレカワ)」などがありますが、「制服で撮るなら#アオハルだね」とは、ある女子高生の弁。「#アオハル」はカメラの高さや角度、向きを動かせるため、全身を入れられるうえに、最も盛れる写真が撮影できるのです。

また、ある女子高生は「制服なら服のセンスもバレないし、SNSに上げてもあれこれ言われない」と話していました。友人と遊びに行くと必ずプリクラや自撮りをInstagramにシェアする彼女たちにとって、服装や小物のコーデは失敗できません。制服ならアレンジするにしても、リボンやネクタイを足したり、セーターの色を変えたりするぐらいしかできないため安心です。

学校以外の制服はセーラー服や韓国風も

調査では、女子高生の約4割が「制服に関する校則やデザインを重視して学校を選んだ」と回答しています。とはいえ、自分の学校以外の制服にも憧れます。「なんちゃって制服を購入したことがありますか?」との質問に28.1%の女子高生が「ある」と答えています。

現在ではブレザータイプが主流の制服ですが、502人のうち120人が「セーラー服を着てみたい」と答えていました。自分の持っている制服と違うタイプという理由が大きいとは思いますが、いかにも制服というデザインも心をくすぐるのでしょう。

なんちゃって制服というと、ドン・キホーテなどで売られているコスプレを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、大手制服メーカーも販売しています。人気の学生服ショップの1つである「CONOMi」は、Instagramでもさまざまな制服コーデを紹介しています。


韓国制服レンタル S.S.U.(公式Instagramより)

また、10代を中心に巻き起こっている「第3次韓流ブーム」は制服にも影響しています。調査では43人の女子高生が韓国風の制服を着てみたいと答えていました。韓国風、オルチャン風と呼ばれる制服は、ベストにラインが入っており、リボンは細いヒモ、プリーツのないミニスカートといったパターンが目立ちます。日本と大きく違うのは、シルエットが全体にタイトに仕上げられていることです。

カンコー学生服が運営する「カンコーオンラインショップ原宿セレクトスクエア」では、オルチャンスタイルの制服「SweetTeen elite」を2019年2月から販売しています。また、レンタル業を開始している企業もいます。「韓国制服レンタル S.S.U.」は、ベストやスカートを3泊4日で借りられるので、友人と遊びに出かけることができますね。制服のレンタルは韓国にもあり、レンタルショップ「NUGUNA」は韓国旅行での人気スポットです。

制服姿のアイドルグループの衣装や青春ドラマの制服に憧れる女子高生もいました。こうして考えてみると、かわいい制服を目にする機会はあちこちにありますね。

女子高生ブームが起きた1995年頃には、ルーズソックスが鉄板でした。ギャルファッションもはやっていて、渋谷109が女子高生の象徴のようなショップでした。その手にはスクバ(スクールバッグ)があり、スカート丈が一気に短くなったのもこの時代です。

もっとさかのぼると、スケバンやツッパリがはやった時代があり、スカート丈もくるぶしまで伸ばしている人が多くいました。上下のバランスを取るためか、セーラー服の丈を短く詰めている人もいましたね。

現在は一時期ほどスカート丈は短くなくなり、靴下は黒や紺のショート丈がはやっています。バッグは大きなバックパックを下げ気味にして持っています。また縦が少し長めの長方形になっているショルダーバッグも根強い人気があります。女子高生たちの強い味方である制服は、ずっと時代を映していくのでしょう。