15日、日本テレビ「衝撃のアノ人に会ってみた!」では、元プロボクサー・坂本博之氏が登場した。引退から約12年、「平成のKOキング」の異名で人気を博した坂本氏の現在の様子を伝えた。

幼少期に両親の離婚により兄弟で親類の家に引き取られた坂本氏だったが、そこではろくに食事も与えられず、暴力をふるわれるなどの虐待を受けていたという。それでも弟が栄養失調で倒れたことから親類の虐待が発覚し、福岡の児童養護施設「和白青松園」へ移ることとなった。

ここで観たボクシングの試合に衝撃を受け、ボクサーになることを決意した坂本氏は、施設の子供達に夢を与えるべく世界王者を目指す。以後、不屈の精神で東洋太平洋ライト級王座を獲得するまでに至るも、世界王座には届かず。36歳で現役を引退している。

現在は48歳。妻と10歳の愛娘と東京都葛飾区で生活する坂本氏は、ボクシングジムを開業し、プロボクサーの育成をしている。ジムには児童養護施設で育った選手も複数おり、坂本氏が果たせなかった世界王者の夢を引き継ぐ若者もいる。

現役時代から大切にしている想いとして、「人っていうのは誰か頑張っている姿を見ると周りの人達は応援してくれるよって。だから、みんな今を熱く生きるんだって。まずは夢を持って頑張ろう、走ろう、行動を起こそう」と力説した坂本氏だが、幼少時代の辛い思い出については「絶対に忘れないです」とキッパリ。

「乗り越えるってわけじゃないんですけど、自分の中では留めておく。受け止めるっていう意味で。それがあるから今の自分があるんだってこと」とその理由を話す一方、自分の子供やジムの若者達への向き合い方については「子供達なりに一生懸命生きている。誰かと比べられるのがきつい。僕の時もそうだったけど。一生と考えると疲れてしまうから。一瞬懸命っていう言葉だってある」と語った。