韓国大統領府(青瓦台)は、15日に韓国統計庁が発表した「4月の雇用動向」で先月の失業率が最悪レベルを記録し、失業者数も統計開始以来最大規模となったことについて、同日は公式の立場を表明しなかった。

 14日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、中小企業経営者との会合で「全体的に見れば韓国経済は成功に向かっている」と述べたが、それからわずか1日で最悪の雇用統計が発表されたことについて、韓国大統領府の幹部はブリーフィングで「お伝えできる情報をあまり持っていないので、次回に申し上げる」と述べた。

 これまで大統領府は、否定的な経済指標を無視して有利な統計値を採用する姿勢を見せてきた。文大統領は昨年5月「最低賃金引き上げのプラスの効果は90%以上」、同8月には「雇用の量と質が改善した」と述べていた。チョ・グク民情首席秘書官は先ごろ「韓国経済の基礎、これまでになく堅固だ」と題する文章をフェイスブックに掲載した。

 韓国大統領府の関係者は「経済は心理的要因が大きく作用するものだが、批判論者たちが否定的な数値を過度に強調している」と話した。文大統領が前日「統計と現場の温度差がある」と発言したのも、こうした状況に関連があるというわけだ。これに対し、発言全体が誤っているわけではないが、大統領府が一部の有利な統計を目立たせて経済の現実をごまかしている、という批判が上がっている。

 韓国野党「正しい未来党」のユ・スンミン議員は、文大統領の「韓国経済は成功」発言について、フェイスブックで「大統領は月世界の人なのか」「大統領は国民の苦しい暮らしについて最低限の共感もできずにいる」と指摘した。野党「自由韓国党」のナ・ギョンウォン院内代表は「所得主導成長を諦められずにこんな考えを持っていては経済が成功する可能性は0%」と批判した。