さいたま赤十字病院=2019年5月15日午後5時9分、さいたま市中央区、宮脇稜平撮影

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 さいたま赤十字病院(さいたま市中央区)で3月、死産した胎児がトイレで流されていたことが、市保健所などへの取材でわかった。

 入院中の同市の女性(36)がトイレの便器に座った際に産み落とされ、女性が別室に移動して待機中、清掃員が過って流したという。その後も発見されず、病院は女性や家族に謝罪したという。

 同保健所などによると、女性が死産したのは3月19日午後3時10分ごろ。4日前に胎児の心肺停止が確認され、女性は同18日から分娩(ぶんべん)のため入院していた。

 同行した夫(39)によると、分娩室に入った女性は尿意があったため医師の許可を得てトイレに行った際に胎児を死産。職員の指示で分娩室に戻って待機していたところ、トイレを流す音と病院職員の悲鳴が聞こえたという。病院側は「心よりおわび申し上げる」などと文書で女性と家族に謝罪。清掃員のマニュアルを改訂するなどの再発防止策を明らかにしたという。

 同病院医療安全管理課の担当者は15日、朝日新聞の取材に対し、「現段階でコメントできない」とした。

 夫婦は胎児の名前を考え、写真や手形を残して埋葬することにしていた。夫は「空っぽの骨つぼに祈る日々。妻はトイレを流す音がトラウマになり、体調を崩している。絶対に同じことが起きてほしくない」と声を絞り出した。(山口啓太)