日本とコロンビアの試合でC・サンチェスにレッドカードを突き付けるスコミナ主審。 (C) Getty Images

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 現地時間6月1日にマドリードのワンダ・メトロポリターノで開催されるチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝は、言わずもがなの大一番だ。

 そんなビッグマッチでファイナリストとなったのは、リバプールとトッテナムだ。準決勝・第2レグでそれぞれ3点のビハインドをはね返す圧巻の逆転劇を演じ、前者は2年連続、後者はクラブ史上初となる檜舞台に上った。

 プレミア勢が決勝で対戦するのは、雨の降りしきるモスクワで、マンチェスター・ユナイテッドがPK戦の末にチェルシーを下した2007-08シーズン以来11年ぶり。それだけに注目度はいやおうなしに高まっている。

 激闘が予想されるイングランドの両雄の対決において、もちろんジャッジも重要となる。今大会は、史上初めてビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)判定が導入されたこともあり、物議を醸す判定も少なくなかった。

 現地時間5月14日、今大会の最終決戦を裁く主審が決定した。欧州サッカー連盟(UEFA)が指名したのは、スロベニア人のダミル・スコミナだ。
 
 初めてCL決勝の笛を吹くことになったスコミナは、これまでに2017年のヨーロッパリーグ決勝や2012年のUEFAスーパーカップを裁いた実績の持ち主。また、昨夏のロシア・ワールドカップで、日本代表のグループリーグ初戦となったコロンビア戦でも主審を務め、開始早々の3分にハンドを犯したカルロス・サンチェスにレッドカードを提示して話題を呼んだ。

 今シーズンのCLでも、そのレフェリングが話題となったジャッジがいくつかあった。なかでも、最も注目を集めたのは、マンチェスター・ユナイテッドがパリ・サンジェルマンを逆転で退けた決勝トーナメント1回戦の第2レグだろう。

 この試合で主審を務めたスコミナは、後半アディショナルタイムにVARに従ってハンドの判定を下し、決勝点に繋がったPKをユナイテッドに与えた。これに対して負傷によってスタンド観戦していたネイマールが、自身のインスタグラムで、「これは明らかな不当だ。UEFAはどうしてフットボールを知らない4人にVARの判定を任せたのか? ふざけんな!」と非難の投稿をして、3試合の出場停止処分を受ける騒動となった。

 ちなみに今シーズンにスコミナが主審を担当した全46試合のうち、162枚ものイエローカードを提示している一方で、レッドカードは9枚と比較的少ない。ただ、PKは22回で、約2試合に1回は与えている計算だ。

 はたして、42歳のスロベニア人レフェリーは、プレミア勢の対決をいかに裁くのか。決勝では、そのレフェリングにも注目したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部