『うつを治す努力をしてきたので、効果と難易度でマッピングしてみた』(ほっしー:著、和田秀樹:解説/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

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 新年度のバタバタが一息ついて、大型連休明けのこの時期、まわりに「最近なんだか元気がないな…」という人はいませんか? それはもしかしたら、メンタル不調のサインかもしれません。あるいは季節に関係なく、まさに今、自分自身の不調と向き合っているという方もいるのではないでしょうか。

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『うつを治す努力をしてきたので、効果と難易度でマッピングしてみた』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者・ほっしー氏は、うつ病から4年かけて回復していく中で取り組んできた、さまざまな活動内容を「うつマッピング」という図にしてツイッターで公開したところ、2.4万以上もリツイートされて大きな話題となりました。

「うつマッピング」とは、縦軸が「効果が高い/効果が低い」、横軸が「(行うのが)お手軽/難しい」というマップ上に、うつ回復のために試した事柄や内容をマッピングしていくというもの。本稿では、ほっしー氏の「うつマッピング」の事例をいくつか紹介しましょう。

■【効果が高い×お手軽にできる】何はなくとも「深い呼吸」

 人は緊張すると呼吸が浅くなってしまうもの。呼吸が浅くなると、さまざまな不調をきたすということが専門家からも指摘されているそうです。そこでほっしー氏が意識したのが、「深い呼吸」。鼻から大きく息を吸って、口から吐き出す腹式呼吸を意識して実践するだけで、モヤモヤが少し晴れた気分になります。体内にキレイな空気を入れ、モヤモヤを吐き出す感覚をイメージすると、さらに効果アップ!

■【効果が高い×実施が難しい】圧倒的に生きやすくなる「認知の改善」

 うつになると特にネガティブ思考が進んでしまうため、自分自身のことを追い込んでしまいがち。そこで理解しておきたいのが、デビッド・D・バーンズ氏により提唱された“認知のゆがみ”です。現実を不正確に認識してしまうことを指す“認知のゆがみ”は、「全か無か思考」「一般化のしすぎ」「結論の飛躍」「レッテル貼り」など10項目の思考パターンが挙げられています。これはうつ症状でなくても、「自分にも当てはまるかも」と感じる人は多いでしょう。

 認知のクセを改善するためには、まず自分の“認知のゆがみ”に気づくことが大切。そして改善には、カウンセラーなどのプロの助けを得るのがベストとされています。いわゆる「認知行動療法」ですが、受診が難しい場合は、バーンズ氏の著書『いやな気分よ、さようなら』を読んでみるのがおススメだそうです。

■【効果は低い×お手軽にできる】最もお手軽なのは「マンガ」を読むこと

 ゲームやアニメよりも気軽に手にとることができる感があるマンガ。マンガ本のお金がかかるというハードルはありますが、お手軽に楽しむことができるし、作品によっては内容から学びも得られるというすぐれもの。うつで気分が落ち込み、本を読むのもしんどいという時には、「マンガでわかる〜」シリーズもおススメです。

■当事者からのアドバイスから、自分に合うものを取り入れよう

 本書ではこの他にも「うつマッピング」のさまざまな内容が、ほっしー氏のコメントとともに34項目も紹介されています。ほっしー氏があまり考えずにサクっとお手軽に取り組んだというものから、文献をいろいろ読み込んでチャレンジしたものまで。体験記としても、それらを読んでいくと、「自分もうつや不安で悩んだときにやってみようかな」と思えるものが見つかるでしょう。本書内には「うつマッピング」を作るためのフォーマットもついているので、自分オリジナルの「うつマッピング」を作って、自分の傾向を知り、回復の対策を練ることもできます。

 残念ながら、「うつには〇〇が効く!」という絶対的な正解はありません。だからこそ、本書を通じて経験者のアドバイスを知り、いろいろと試してみることで、少しずつ自分に合うものを見つけていきましょう。無理をしたり、焦ったりすることなく、自分のペースを見つけられますように。

文=水野さちえ