Photo by iStock

写真拡大

「2ちゃんねる」の創設者、「ニコニコ動画」の命名者として知られる、ひろゆきこと西村博之氏。月5万円の極貧生活から、年収数億円の大富豪にのし上がった彼が、その「マネー哲学」を語ったのが、著書『これからを生きるための無敵のお金の話』だ。貧困、経済格差の拡大を背景に、世界的に注目を集めている「ベーシックインカム」。なぜひろゆき氏は、この制度の導入に賛成しているのか? 同時に「年収が高い人と結婚したい」という女性を否定しないワケも教えてもらった。

一生結婚できない人が増えている

今はお金を持っている人しか結婚できない状況です。

Photo by iStock

年収500万円あります、20代です、って人だったら、もう引く手数多だから、さっさと結婚して子供を作るかもしれませんが、平均収入の人は、子供と奥さんを養えるお金がない。

そうやって働き続けて、40歳になったら、少しは給料が増えているかもしれませんが、今度は40歳のおっさんと結婚したくない、40歳のおばさんと結婚したくないって状況になるわけです。

そういうわけでおっさんとおばさんは、そのまま独身として60歳、70歳になって、で、がんになったりするわけです。がんを治す薬オプジーボは、年間1500万円くらいかかるんですが、高額療養費制度の対象になるので、そのお金は国から出るんです。

でもその1500万円を、20代のうちにもらうことができたら……男性と女性で合わせて3000万円になるわけで、それだったら20代か30代で結婚できて、子供を作って、家庭を持てたかもしれない。そのほうが幸せだったんじゃないでしょうか?

幸せかどうかはその人たちの問題なので、どっちでもいいかもしれませんが、少なくとも出生率を上げることには繋がります。

これが、僕がベーシックインカムをすすめたい理由です。

20代で1000万円あったら、子供を育てるために数年働かないで、子供を育てるのに特化した生活を夫婦でやって、それで子供が小学校に入ってから、「じゃあ働こうか」ってことができるわけじゃないですか。

それから、結婚相手に高い年収を求める必要もなくなってくると思います。生活するお金はふつうにもらえるわけなので、相手の年収にこだわらなくていい。

よく、「結婚相手は年収600万円以上じゃないと嫌です」とか言うわけですが、あれは、本当に年収が高い人と結婚したいというよりは──そういう人も若干いるとは思いますが──要は、生活の不安を感じたくないってことですよね。

「子供を育てます」っていうときに、仕事を辞められないとなると、相当きつい。生活不安をいかに減らすか。豪華なものを買いたい、というよりは、ふつうに子どもを育てられるかどうかって話ですよね。

子育てでいったん仕事を辞めました、キャリアが途絶えました、ってなったら、正社員の仕事にはなかなか戻れない。スーパーのレジ打ちとかになってしまう。そうじゃなくて、子供を作っても、今までどおり人並みの生活ができるようにしたい。そう思うと、年収は高いほうがいいよねって考えてしまうわけです。

これが出生率を上げる切り札だ

「年収が高い人と結婚したい」と言う女の人を批判する男性も多いと思いますが、一概にその希望は間違っているとはいえないと思います。だって不安ですから。

Photo by iStock

愛情があっても、それだけでは生きていけない。すごくいい人なんだけど、働かない旦那さんだと子供を育てられない。それだったら、やっぱり年収が高い男性のほうが……ってなりますよね。それだけの話だと思います。

「安定した生活が欲しい」という言葉の裏返しが、「年収が高い人と結婚したい」になっているだけだと思います。

その「安定した生活」というのは、国が用意することは可能なんじゃないでしょうか。

だって国は、がんになった人に1500万円払ってくれるわけです。その1500万円を、60歳過ぎて払うんじゃなくて、20代のうちに払ってあげれば、その人は子供を育てられて、その子供が成長して働くようになったら、また税金を納めてくれる──そのほうが絶対いいですよね。

日本が今良くないのは、出生率が低いからです。

出生率は2を切っているんです。出生率が2だった場合、夫婦がそれぞれ一人ずつ子孫を残したことになるので、人口は一緒のままなんですが(正確には2.07と言われていますが)、2を切った場合、当然ながらどんどん減っていきます。

日本は2を切ってから長いので、子供はどんどん減り続けていて、その結果、子供が少なく、老人が多い社会になってしまった。

子供をどうにかして増やして、出生率が2を超えない限り、人口がどんどん減っていきます。

日本がかつて、なぜ景気が良かったかといえば、人口が伸び続けていたからという部分が相当大きいわけです。