誰もがア然とした方向転換(C)共同通信社

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 それにしても、間が悪い男だ。安倍首相が「私自身が金氏と条件を付けずに向き合わなければならない」と無条件の日朝首脳会談実施の意向を正式表明してから3日。北朝鮮が4日に続き、再び9日に飛翔体を発射した。1回目は静観した米国だったが、2回目は弾道ミサイルだとする分析結果を10日、発表。国連安保理の制裁決議違反が明白になり、日朝会談の機運はアッという間にすぼまった。マンガのような空回りに永田町では失笑が漏れている。

我慢も限界?北朝鮮の「飛翔体」発射にトランプ不快感露わ

「日朝会談? 今さら開けるわけがないでしょう。安倍首相がまた大風呂敷を広げたんでしょ。それが共通認識ですよ」(与党中堅議員)

 どっこい、“外交の安倍”を気取る本人はヤル気満々なんだとか。「われわれの世代で解決する」と息巻いた北方領土返還を巡る日ロ交渉の雲行きが怪しくなって以降、日朝会談の無条件実施に傾斜。ブチ上げるタイミングを探っていたという。

「前のめりの安倍首相の重しとなっていたのが、非核化交渉で手柄を焦っていたトランプ大統領です。ところが、2回目の米朝首脳会談は物別れに終わり、着地できない米中貿易協議や核合意離脱を巡るイランの先鋭化など、懸案事項が次々に浮上。トランプ大統領の北朝鮮に対する関心が徐々に薄れ、安倍首相にとって好機が訪れたというわけです」(官邸事情通)

 2回目の発射を受け、トランプは「誰もハッピーではない」「彼ら(北朝鮮)が交渉したいことを知っているが、彼らが交渉する準備が整っているとは思わない」とケンもホロロだった。もっとも、安倍首相の秋波に対し、肝心の北朝鮮のリアクションは相変わらず「全く反応がない」(前出の官邸事情通)という。

「金正恩氏は先月の施政方針演説で〈今年末までは忍耐心を持ち、米国の勇断を待ってみる〉と言っていたように、少なくとも年内は米国との対話に望みをつないでいる。北朝鮮にしてみれば、日本は米国の子分に過ぎず、このタイミングで協議を持つ必要性がない。日本政府は水面下で何度も接触を図っているようですが、北朝鮮外務省は公式に取り合う考えはないようです。もとより、安倍首相に対する心証が悪すぎる。小泉訪朝で帰国した拉致被害者を返す約束をほごにし、ストックホルム合意に基づく拉致問題の再調査結果は都合が悪いからと受け取りを拒否。国難扱いして政権浮揚に利用してきた。信頼のおけない安倍首相との対話に何のメリットもないと判断しているようです」(日韓外交筋)

 安倍首相に振り回される被害者家族は一発カマしてやった方がいい。