20〜30代の独身女性の彼氏がいない確率が50%を超える今。いつの間にやら少数派になった彼氏持ちの女性の中には、彼氏はいるもののセカンドポジションのまま、いつまでたってもファースト(本命)になれない女性たちがいます。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか……。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。

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今回お話を伺ったのは、千葉県で介護の仕事をしている石橋智子さん(仮名・33歳)。茶色く染められた髪は胸下まであり、ふんわりと巻かれています。服装は、レースが付いた白のハイネックのブラウスに黒の水玉模様のスカートでフェミニンな印象。しっかりと引かれたアイラインに赤いリップ、ゴールドの大きなピアスや、黒のハイブランドのバックなど、少し派手な印象を受けます。そんな彼女のセカンド気質はどこにあるのか――。生い立ちや、学生時代の恋愛から話を伺っていきます。

「出身は千葉県で、両親と4歳下に妹のいる4人家族でした。父親は私が学生の頃に亡くなってしまって、今は3人暮らし。私と妹はどちらもまだ実家にいて、実は2人とも一人暮らしをしたことはありません。私の家は昔からどちらも放任主義というか、子供にあまり関心がないんです。友人の家は厳しい家が多かったので、羨ましがられていました。晩御飯を食べられなくなるほどの買い食いも大丈夫だったし、門限などもなし。今は用事があれば会話しますが、3人とも自由勝手に生きている感じですね」

初めて彼氏ができたのはいつですか?

「ちゃんと付き合ったのは、短大の時ですね。中学、高校とも男女グループで仲良くしていて、その中に好きな人がいました。2人で何度も遊びに行ったりもしたけど、付き合うとかの話にはなっていません。することはしていたんですけどね(苦笑)。

短大の時に付き合った人は合コンで知り合いました。相手は4歳上のサラリーマン。どちらから誘って最初に遊びに行ったのかはよく覚えていないんですけど、私は最初に出会った時から気になっていました。高校生の時から合コンに参加していたけど、初めてタイプの人に出会いましたね。でも、結局その彼とは3か月ぐらいでケンカ別れしました。2人とも彼氏彼女がいても合コンをやめなくて、そこから言い合いになった感じです。高圧的な態度にイラっとしてしまって、一瞬で気持ちが冷めてしまいました」

短大を卒業後は、都内にあるアパレル企業で事務の仕事を始めます。女性が多い職場だったそうですが、友人関係には恵まれ、さらには出会いの場も多くあったと言います。

「私は小さい頃から思ったことをハッキリ言うタイプ。そんなところからか同性に好かれることが多くて、学生の頃から友人はたくさんいました。職場でもいじめられることもなく、先輩から後輩まで色んなタイプとプライベートで遊ぶようになっていました。そしてその頃は20代前半で、飲み会も引く手あまた。みんなから友人が多いと思われているせいか、喫煙所で会うだけの関係の人からも合コンのお誘いを受けるほどでした。女性はもちろん、男性からもよく誘われていましたね」

彼氏がいるのに惹かれてしまった8歳上の妻帯者

合コンで知り合った男性と付き合っていた智子さんですが、SNS経由で知り合った既婚者とも恋愛関係になっていきます。

「合コンで知り合った彼は3歳上のサラリーマン。かわいい雰囲気で、あっちからのアプローチで付き合い始めました。それから3か月ぐらい経った頃、SNSで募集していた飲み会に参加して既婚者の男性と知り合いました。彼は8歳くらい上だったかな。その飲み会は出会いというより、楽しく飲みましょうといった内容で、おそらく既婚者も多く参加していたと思います。私もお酒好きだったし、女性が少し安い料金で飲み放題だったこともあり、気軽に参加したんです。そしたら思いがけない出会いがあったというか。飲み会の最初から彼が気になっていましたね」

既婚者の男性のことを好きになってしまいますが、彼氏と別れようとは思わなかったそう。その理由はというと……。

「だって、相手は絶対に遊びなのに、こっちが何のため身辺を整理しないといけないのか。その人は最初から既婚者だと私に伝えてきたので、そういうことですよね。私も彼氏がいることを伝えました。お互い2番手だと理解して、関係が始まりました。

彼氏とは週末、不倫相手とは週に1回、平日の夜に会っていました。最低かもしれないけど、気持ちが分散されるから相手の些細なことが気にならなくなって、彼氏とはケンカが減りました。それに思っていたほど罪悪感がなくて、こんなものなんだなって感じでしたね。当時から周りに不倫をしている子も多くいて、みんな辛そうだったけど、私はしんどい気持ちも全然なくて。自分はうまいことやっていけると思っていました」

恋愛にそこまでハマったことのない智子さんは、2マタもうまくやれると自信があったという。

彼氏というストッパーがいるからこそ不倫にハマらずにいられる。しかしそのストッパーが外れたとき、関係性が変わってしまい……。〜その2〜に続きます。