6割の住宅で喘息レベルのダニを検出効果的な対策とは?

2019/05/10 05:39 ウェザーニュース

暖かくなるとダニが繁殖します。梅雨をはさんで5月から7月にかけて、ダニの繁殖がピークにあたると言われています。東京都が、各家庭のダニ繁殖状況を調べたところ、6割の住宅でぜん息発作を誘発するレベルのダニが検出されました。では、対策はどうすればよいのでしょうか。

寝具が一番の繁殖源

東京都健康安全研究センターが、都内の住宅10軒について、居間、寝室、寝具を対象にダニ(コナヒョウダニとヤケヒョウダニ)の繁殖状況を調べました(2016年10〜11月)。繁殖のピークを過ぎていましたが、ダニの生体・死骸・糞などが採取されました。採取されたダニの重量を測定したところ、1平方メートル当たり10,000ng(ナノ・グラム、1ngは十億分の1g)から1ngまで大きな幅がありました。採取場所別にみると、寝具>ジュウタン・畳>フローリングの順に多く、寝具が一番の繁殖源となっていることがわかりました。

ダニアレルギーを引き起こすレベルは?

ダニがいるからといって、直ちにアレルギーやぜん息を起こすわけではありません。WHO(世界保健機関)によるとチリの中のダニの量が問題で、チリ1g中にダニが2μg(マイクロ・グラム、1μgは百万分の1g)以上でアレルギーを起こす危険があり、10μg以上でぜん息発作を起こす危険があるとされています。チリ1gの中のダニの重量を測定してみると、2μg 以上が住宅10軒中9軒、10μg以上は10軒中6軒から検出されました。つまり、調査した住宅の6割からぜん息発作を誘発するレベルのダニが採取されたのです。

フローリングや布団丸洗いで対策

この調査結果をふまえて、東京都福祉保健局は『健康・快適居住環境の指針』(2017年3月)を改訂しました。「室内のダニ対策」は次のように具体的な対策をあげています。

(1)床面をダニが繁殖しにくい素材にする▼床材はフローリングとし、カーペットを使用しないようにしましょう。▼特に畳の上にカーペットを敷くと、通風が悪くなり畳が湿るのでやめましょう。(2)床面への掃除機がけを行う▼床への掃除機がけはできるだけ毎日行いましょう。少なくとも3日に1回は1平方メートル当たり20秒以上の時間をかけて丁寧に行いましょう。▼掃除機がけは通常の吸引力(仕事率200W以上)のもので十分ですが、フィルターは高性能のものを使いましょう。(3)ダニの生息場所を減らす▼布製のソファーにも掃除機がけをし、カーテンは定期的に洗濯しましょう。▼ぬいぐるみを置く場合は、こまめに洗濯するか、ビニール袋に入れましょう。(4)寝具の乾燥と掃除機がけ▼天気の良い日は布団を干し、よく乾燥させましょう。梅雨時期などは布団乾燥機を使用するとよいでしょう。▼布団を干した後、布団を叩くとダニが浮かび上がるため、布団を干した後は必ず掃除機がけを行いましょう。(5)寝具類の洗濯▼シーツや布団カバーはこまめに取り替え選択しましょう。▼布団を干せない家庭では、ダニの虫体や糞を丸ごと除去する布団の丸洗いが効果的です。専門の業者に頼んで1年に2回ぐらい行うとよいでしょう。アレルギーを引き起こすのはダニだけでなく、花粉や食物などさまざまな要因がありますが、厚生労働省は「我が国全人口の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患し、急速に増加している」と警鐘を鳴らしています。住宅のダニは、工夫次第で減らすことができます。こまめに掃除機をかけるか洗濯をし、小さな子どもがいる家庭では床をフローリングに替えるのも効果的です。

参考資料など

『東京都内の住宅におけるダニアレルゲン調査』(東京都健康安全研究センターなど、2018年)『健康・快適居住環境の指針』(東京都福祉保健局、2017年)