「NHKをぶっ壊す」をキャッチフレーズに、統一地方選で多くの当選者を出した政治団体「NHKから国民を守る党」が、7月の参院選に挑戦する意向を明らかにしました。どんな“政党”なのか―。

 同団体は、NHK元職員の立花孝志・東京都葛飾区議が、2013年に立ち上げ、「NHK撃退シール」を配布するなど活動。今回の選挙でも、「受信料制度が不公平だ▽不祥事を繰り返すNHKが許せない▽NHKの番組なんて見ていない」などの理由で、「NHKが嫌いな方を応援・お守りする候補者です」と訴えました。

「ぶっ壊す」では

 たしかに、NHKに対する視聴者の不満や批判は強いものがあります。こうした市民感情をうまくすくい取ったといえますが、だからといって、「守る党」に投票したらNHKはよくなるのか―。国民が権利を行使する上で必要な基本情報を誰でも入手できるところに公共放送としての役割があり、それをNHKにきちんと果たさせるよう、批判、監視、激励することが求められています。「ぶっ壊す」では、何も変わりません。

 後半戦開票後の4月23日のインターネット番組に出演した立花氏に対し、他の出演者から「NHKでないとできないことがある」という指摘や、「地方議会で何をやっているの?」という疑問が出たのも当然です。

 立花氏は、ことし3月の葛飾区議会で、日本共産党区議団が提出した▽15歳までの医療費無料化を18歳まで拡大する▽国民健康保険料の子どもの均等割保険料を免除する―など区民の暮らしを守る四つの条例案を、自民、公明両党などとともに否決しました。

 しかも、同番組で、立花氏が「来るものは拒まず」とのべたように、今回当選した議員の政治信条はさまざまです。

元自民や維新も

 たとえば、東京・渋谷区の金子快之(やすゆき)氏は、11年4月の札幌市議選にみんなの党公認で初当選。14年1月に離党し、自民党会派に所属。同年8月、「アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね」とツイッターで発言したことで自民党札幌市支部連合会を除名された経歴の持ち主です。このほか、自民党区議を3期務めた人物、日本維新の会の元市議など。

 今回、26人が当選し、所属する地方議員が39人となり、今夏の参院選に選挙区も含め10人を擁立すると発表しました。ところが、東京・杉並区、豊島区、八王子市などで当選したばかりの6氏が“離党”を表明、除名処分となっています。

(藤沢忠明)