ライブドア家宅捜査とオールドエコノミー的感情論
2006年01月17日17時12分 / 提供:PJ
大雪以外、目だったニュースのなかった日本のメディアは、ライブドア家宅捜査の話題に一斉に飛びついた。一般紙からスポーツ紙まで一面はライブドアだ。
ホリエモンが知人だから、ライブドアPJだから擁護する訳ではないが、すべてのメディアが同じ論調というのがボクにとっては、とても気持ちが悪い…。しかも2年も前の買収問題についてだ。テレビ・メディアの論調も、ライブドアに対してのバッシングが延々と続く。どうも、オールドメディアは、このネットでの新興企業の暴れん坊ぶりが気に入らないようだ。
復帰したばかりのみのもんた氏のTBS「朝ズバッ!」で、毎日新聞特別編集委員の岸井成格氏は「ある時代の変わり目にはいってきている。六本木ヒルズ族に対する懲罰でしょうね」と言い切る。みのもんた氏は「数百億円の架空の現金があっという間に動く、そんな時代は長くは続かない。汗水流して、日銭を稼ぐ人にとってのお灸ですか?」とコメンテーターに同意を求め、民主党衆議院議員の元NHK解説委員の小宮山洋子氏は「見せしめという人もいますが、一定のルールは必要。ヒルズ族が持ち上げられることへの警告でしょう」と語った。
ヒルズ族が錬金術を通じて儲けていることを快く思っていないところは、さらに悲観的でネガティブな意見を見せる。
さらに地検の捜査を受けたことから、経団連の入会見直しから、フジテレビの提携見直しまで、自民党の実質的刺客立候補の功績まで見直されそうな雰囲気だ。気の早いフジテレビでは、すでに「ライブドア事件」と、もう事件化している(笑)。八方ふさがりのライブドアのように報道されるが、意外にそうではないとボクは考える。
ライブドアの取引違反の嫌疑がかけられているだけで、まだ調査中でありながらも、不明朗な錬金術や、法律スレスレの行為、ひいては100分割によって個人投資家の射幸心をあおり、証券システムに必要以上の負荷を与えているという言いがかりまでつけられている。それらは今回の捜査にはまったく筋の違う話だ。これらを一緒にして、「だから、いわんこっちゃない」的な報道こそ、合理的根拠のない「風説の流布」ではないだろうか?
もし証券取引法違反で、立件が成立した場合、ライブドアはどうなるのか?実際の罰則は、いったいいくらなのだろうか?証券取引法158条では、懲役5年以下または罰金500万円以下で、法人の場合は罰金5億円以下である。
普通の会社で5億円はびっくりする巨額であるが、現在のライブドアの資産価値から見れば、罰金がライブドアを窮地に追い込む要素にはなりえない(決して違反を奨励しているわけではない)。むしろ罰金よりも、社会的イメージ、企業イメージのほうがはるかにライブドアでは重要であろう。
シリコンバレーの梅田望夫さんが提唱する、ネット新時代に対応するための7原則と比較してみると…ライブドア社はどれにも当てはまりそうだ。
1.アナロジーで考えてはいけない
2.「ムーアの法則」を信じ、「おっちょこちょい」であれ
3.Only the Paranoid Survive(アンディ・グローブを思いだそう)
4.「時間の使い方の優先順位」を変えないと何も変わらない
5.新しい現象に対し、「古い感覚を総動員した理論武装」で戦うな
6.若い人に教わることを忌避するな
7.Never Too Late (決して参入は遅すぎることがない)
反対に、報道メディアの体質は、ネット時代に対応できない代表として、このように対極に存在するだろう。
1.企業は、今までの、過去の習慣にもとづいて判断している。
2.18カ月で2倍速になり価格が下がるIT業界の法則もすでに40年間維持されている事実をまったく理解していない。
3.いつも自社が潰れないかという危機感を持っていない。
4.優先順位はずっと今までと同じ
5.古い感覚の理論武装のまま
6.若いやつはつぶせ!礼儀を守れ!
7.もうチャンスは終わった。
ネット時代の先端企業が直面した今回の問題は、日本のネット産業とオールドエコノミーとの確執的な問題点としか思えない。ネット産業の急激な変化は、やはりそのスピードに対応できないオールドエコノミーの最後のあえぎ声であり、ねたみの感情的な言いがかりであるような気がしてならない。
「儲かるためには手段を選ばない」というライブドア社の事業性を賛成する必要はないが(目立ちながら、儲けるというユニークな視点は絶賛したい)、たかがライブドアくらいの社会の甘さを活用して利益を上げる企業にふりまわされる日本の証券制度や法制度の方が時代遅れだと感じて仕方がない。【了】
ホリエモンが知人だから、ライブドアPJだから擁護する訳ではないが、すべてのメディアが同じ論調というのがボクにとっては、とても気持ちが悪い…。しかも2年も前の買収問題についてだ。テレビ・メディアの論調も、ライブドアに対してのバッシングが延々と続く。どうも、オールドメディアは、このネットでの新興企業の暴れん坊ぶりが気に入らないようだ。
復帰したばかりのみのもんた氏のTBS「朝ズバッ!」で、毎日新聞特別編集委員の岸井成格氏は「ある時代の変わり目にはいってきている。六本木ヒルズ族に対する懲罰でしょうね」と言い切る。みのもんた氏は「数百億円の架空の現金があっという間に動く、そんな時代は長くは続かない。汗水流して、日銭を稼ぐ人にとってのお灸ですか?」とコメンテーターに同意を求め、民主党衆議院議員の元NHK解説委員の小宮山洋子氏は「見せしめという人もいますが、一定のルールは必要。ヒルズ族が持ち上げられることへの警告でしょう」と語った。
ヒルズ族が錬金術を通じて儲けていることを快く思っていないところは、さらに悲観的でネガティブな意見を見せる。
さらに地検の捜査を受けたことから、経団連の入会見直しから、フジテレビの提携見直しまで、自民党の実質的刺客立候補の功績まで見直されそうな雰囲気だ。気の早いフジテレビでは、すでに「ライブドア事件」と、もう事件化している(笑)。八方ふさがりのライブドアのように報道されるが、意外にそうではないとボクは考える。
ライブドアの取引違反の嫌疑がかけられているだけで、まだ調査中でありながらも、不明朗な錬金術や、法律スレスレの行為、ひいては100分割によって個人投資家の射幸心をあおり、証券システムに必要以上の負荷を与えているという言いがかりまでつけられている。それらは今回の捜査にはまったく筋の違う話だ。これらを一緒にして、「だから、いわんこっちゃない」的な報道こそ、合理的根拠のない「風説の流布」ではないだろうか?
もし証券取引法違反で、立件が成立した場合、ライブドアはどうなるのか?実際の罰則は、いったいいくらなのだろうか?証券取引法158条では、懲役5年以下または罰金500万円以下で、法人の場合は罰金5億円以下である。
普通の会社で5億円はびっくりする巨額であるが、現在のライブドアの資産価値から見れば、罰金がライブドアを窮地に追い込む要素にはなりえない(決して違反を奨励しているわけではない)。むしろ罰金よりも、社会的イメージ、企業イメージのほうがはるかにライブドアでは重要であろう。
シリコンバレーの梅田望夫さんが提唱する、ネット新時代に対応するための7原則と比較してみると…ライブドア社はどれにも当てはまりそうだ。
1.アナロジーで考えてはいけない
2.「ムーアの法則」を信じ、「おっちょこちょい」であれ
3.Only the Paranoid Survive(アンディ・グローブを思いだそう)
4.「時間の使い方の優先順位」を変えないと何も変わらない
5.新しい現象に対し、「古い感覚を総動員した理論武装」で戦うな
6.若い人に教わることを忌避するな
7.Never Too Late (決して参入は遅すぎることがない)
反対に、報道メディアの体質は、ネット時代に対応できない代表として、このように対極に存在するだろう。
1.企業は、今までの、過去の習慣にもとづいて判断している。
2.18カ月で2倍速になり価格が下がるIT業界の法則もすでに40年間維持されている事実をまったく理解していない。
3.いつも自社が潰れないかという危機感を持っていない。
4.優先順位はずっと今までと同じ
5.古い感覚の理論武装のまま
6.若いやつはつぶせ!礼儀を守れ!
7.もうチャンスは終わった。
ネット時代の先端企業が直面した今回の問題は、日本のネット産業とオールドエコノミーとの確執的な問題点としか思えない。ネット産業の急激な変化は、やはりそのスピードに対応できないオールドエコノミーの最後のあえぎ声であり、ねたみの感情的な言いがかりであるような気がしてならない。
「儲かるためには手段を選ばない」というライブドア社の事業性を賛成する必要はないが(目立ちながら、儲けるというユニークな視点は絶賛したい)、たかがライブドアくらいの社会の甘さを活用して利益を上げる企業にふりまわされる日本の証券制度や法制度の方が時代遅れだと感じて仕方がない。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 神田敏晶
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