政府インターネットTVより

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◆beautiful harmonyという名の異論の抑圧

 5月1日から元号が「令和」に変わる。令和は英訳すると 「beautiful harmony」なのだそうだ。最初、「令和」の「令」が「命令(command、order)」を意味する言葉として外国メディアで紹介されたため、外務省があわてて「beautiful harmony」だと対外的に発表したらしい(朝日新聞4月3日:令和の令、政府「命令を意図せず」 海外の報道を否定)。

「和を乱すな」という「命令」なのか、「美しい調和」という「願い」なのか。後者なのだとしても、それが「同調圧力」=「異論の抑圧」につながることには警戒が必要だ。

 実際のところ、政府がみずから先導して、同調圧力を強め、異論の抑圧を始めている現状がある。気配を感じる感度が強い人は、既に注意喚起している。

◆異論を抑圧する内閣サイバーセキュリティセンターの要請

 4月25日に、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)による、サイバーセキュリティ関連の注意・警戒情報発信用の公式アカウント(@nisc_forecast)が、こうツイートした。

”【お願い 1/3】ニュージーランド、及びスリランカのテロ事件を受けてお願いします。事件発生時のSNSでの情報拡散は、攻撃者にとって狙い通りの恐怖と悪名の拡散であり、みなさんの感情がハッキングされていることになります。拡散しないようにしましょう。続”(内閣サイバーセキュリティセンターのツイートより)

”【お願い 2/3】また二次的には、それにかこつけて、偽情報で、国、宗教、思想、人種を分断し互いに攻撃し合うように仕向ける投稿が行われています。我々が拡散しなければ、少なくとも情報面では、こういった攻撃を弱めることができます。続”(内閣サイバーセキュリティセンターのツイートより)

”【お願い 3/3】SNSやネットを恐怖と悪名の拡散の場にせず、楽しいこと、幸せなこと、ほっこりすることで満たせるように、ぜひご協力ください。仲間、友だち、家族のみなさんにも、このお話を共有してくださいね。”(内閣サイバーセキュリティセンターのツイートより)

 この3番目のツイートに対し、コラムニストの小田嶋隆氏は28日9:48に、こうツイートしている。

”私がいまさらのように、《「より正義を語らないほう」を選ぶ》のtwを蒸し返したのは、「内閣サイバーセキュリティセンター」のtwに通底する何かを感じたからです。 「ほっこり、楽しく、幸せに」は、もちろん望ましい態度ではある。でも、それって、政府が上から推奨すべきことではないぞ。断じて。”(小田嶋隆氏のツイートより)

”国民が「ほっこり」できるための環境を整えるのが政府の仕事であることは否定しない。ただ、お上が国民に向けて「ほっこり」を推奨するのはスジが違う。政府がそれを言うと、「文句を言うな」「不満を持つな」「現状に満足せよ」「政府の指示に従え」というメッセージになる。ヤバい。”(小田嶋隆氏のツイートより)

 小説家の盛田隆二氏も28日10:50に、上記の内閣サイバーセキュリティセンターの3つ目のツイートに対し、こうツイートしている。

”確かに「楽しいこと、幸せなこと、ほっこりすること」で満たされた世界は望ましいけれど、現実には楽しくない報道が溢れています。SNSはそれらを受けて個々人が発信するツールでもあります。政府による「ほっこりするツイートを」という要請は、国民が有する表現の自由と齟齬をきたします。要注意です”(盛田隆二氏のツイートより)

”たとえば、トランプ大統領が安倍首相とゴルフを楽しんだというツイートを、内閣サイバーは「楽しいこと、幸せなこと、ほっこりすること」と受け取るのかもしれませんが、そのように受け取らない人も多いでしょう。政府はSNSの発信内容に関し、国民に要請すべきではありません”(盛田隆二氏のツイートより)