CAに苦情を伝えた末、警察に逮捕された女性(画像は『ABC11 WTVD 2019年4月25日付「Durham woman arrested in front of daughter on Frontier Airlines flight after complaining about vomit in seat」』のスクリーンショット)

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結婚式に出席するため米ラスベガスを訪れていたノースカロライナ州在住の母娘が、帰路のフロンティア航空機内でCA(客室乗務員)と口論になり、降機させられたうえ逮捕された。しかし、この一部始終を動画に収めていた他の乗客が「フロンティア航空が断然悪い」とSNSに投稿したことで、メディアが飛びついた。動画は拡散中で、母親はフロンティア航空の対応に怒りを爆発させており、訴訟を起こす構えでいるようだ。『ABC11 WTVD』などが伝えている。

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今月15日、ロゼッタ・スウィニー(53歳)さんは14歳の娘を連れてネバダ州マッカラン国際空港からノースカロライナ州ローリー・ダーラム国際空港行きのフロンティア航空2066便に乗り込んだ。午後11時50分に離陸予定だったが、この日は機内の清掃作業が必要とのことで搭乗時間も遅れていた。

そして搭乗したものの、娘の座席が前の客の嘔吐物で汚れていたため、ロゼッタさんはCAに苦情を伝えた。ところが、CAのぶしつけな対応がロゼッタさんを憤慨させることになる。その時のことをロゼッタさんはこう振り返っている。

「娘が席に座ると、すぐ飛びあがって『手が濡れちゃったわ。これは誰かの嘔吐物よ。とても臭うもの』と言ったんです。驚いてチェックすると、娘のバックパックやシャツも濡れてしまっていました。それでCAに座席のクリーニングをお願いしました。でもCAは『それは私の仕事ではない』と言い放ち、私の訴えを無視したのです。『CAの仕事じゃなかったら、なぜ飛行機に乗っているの!』と言いたかったくらいです…。そして再度座席の嘔吐物についての話を持ち出したところ、降機するように言われてしまって。私が降機を拒否すると、CAは警備員を呼んだのです。」

しかしフロンティア航空の主張は、ロゼッタさんの言い分とは全く違うようだ。フロンティア航空はメディアに対して次のような声明を出している。

「CAは謝罪し、座席周辺が掃除できるよう2人に機内前方か後方のどちらかに移動するようにお願いしました。また『全員の搭乗が終わって席が空いているようだったら、座席を移動するよう手配します』とも伝えています。娘さんにはクリーナー用品をお渡ししたうえで、『汚れを洗い流すのに洗面所を使ってください』と伝えました。しかし母親はこの対応に不満だったようで、手に負えないほどの攻撃性を見せたことから、CAが2人を降機させる決断を下しました…。我々は乗客や乗務員の安全を第一に考えております。」

だが、これにロゼッタさんは「CAは自分で掃除をしようなんて気は全くなかったと思います。それに『座席を変わっていい』なんて一度も聞いてもいませんよ」と真っ向から反論している。そしてこのロゼッタさんの主張を後押しするかのように、同機に搭乗していたニッキー・ニコールさんはFacebookで次のように述べた。

「女性が座席のクリーニングを頼むと、CAは『自分の仕事ではないから』と言ってクロロックスワイプ(除菌ウェットティッシュ)を手渡していました。『手を洗うのにトイレにある洗面所を使ってもいい』とも言っていました。女性が『他人の嘔吐物の掃除はできない』と拒否すると、CAは『わかりました。あなたの態度は目に余るし、今夜は私たちと一緒に飛ぶ必要はありません』と言って女性に降機をお願いしたのです。でも女性は『それはできない。仕事もあるし、2人のチケットに700ドルも払ってるんだから』と反論していました。」

「実は私たちの座席の前の3列は空席だったんです。CAは2人を違う座席に移動させ、他の従業員を呼んで嘔吐物を掃除させることもできたはずです。」

「そのうち警備員が呼ばれましたが、女性が降機に応じなかったため警察も呼ばれました。女性は最後まで首を縦に振ることはなく結局、乗客全員が降機させられました。女性は14歳の娘が泣き叫ぶ目の前で、手錠をかけられ連行されたのです。こんな扱いをするなんて、フロンティア航空は完全に間違っていますよ。」

また同機を利用した“Lynette Lipke”さんもFacebookでその時の様子を明かした。

「床と座席に嘔吐物があったので、CAは女の子にクロロックスワイプとゴム手袋を渡していました。女性は席を移動できないか尋ねていましたが、CAは空席があるにもかかわらず嘔吐物がある席に座るように告げていました…。結局警察が介入することになり、飛行機が離陸したのは午前2時30分でした。警察官は『あなたの主張は理解できる。でもフロンティア航空があなたの降機を要求している』と言っていましたよ。もう二度とフロンティア航空を使いません。」

ロゼッタさんは軽犯罪法違反で逮捕され、刑務所で12時間を過ごした。その間、14歳の娘は一時的に保護拘置下に置かれていたという。ロゼッタさんは「娘は私が警察に手錠をかけられ連れていかれる姿を見ています。とても悲しいことですし、屈辱的な思いでいっぱいです。釈放後は1000ドルを払ってデルタ航空で帰路につきました。フロンティア航空からはチケット代の700ドルが返金されましたが、到底納得がいきません」と怒りが収まらない様子で、弁護士を雇い民事訴訟の手続きを進めている。ラスベガスでの初出廷は6月を予定しているという。

画像は『ABC11 WTVD 2019年4月25日付「Durham woman arrested in front of daughter on Frontier Airlines flight after complaining about vomit in seat」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)