数年先の自動車事情を考える必要アリ

 新車購入時に悩むのがオプションの選択。とくに新車の製造ラインでしか装着できないメーカーオプションは基本的に後付けがきかないだけに、より悩ましいところ。ここではこのところ新車購入時に注目されているメーカーオプションを見ていこう。

1)パール系ボディカラー

 まず悩むのがボディカラーとなるだろう。パール系のオプションカラーは下取り査定時にかなりの確率で有利に働くとされている。ミニバン系ならば白または黒系のパール色は中古車でも鉄板人気となっているので、選んで損はないだろう。

 またパール系ではないものの、大穴としては、ASEAN地域などでは日本から中古車輸入や、新車の並行輸入なども盛んに行われるほど人気の高いアルファード&ヴェルファイア系では、海外でダークレッドマイカメタリックの人気が高いので、海外バイヤーによる高値買い取りを意識して選ぶのもあり。ただ海外人気は移り気が早いので短期間での売却が前提となるだろう。

2)明るいライト

 いまではLED式が中心となるだろうが、まだまだ標準装着の少ない“明るいヘッドライト”もオプション装着される頻度の高い装備の代表格。いままでの愛車ですでにHID式ヘッドライトなどで慣れてしまえば、ハロゲンヘッドライトでは暗く感じて戻ることができないので、その流れでもオプション選択される頻度が高まっているのである。

 下取りに出すころには、装着頻度はいまより高まっているだろうから、その段階でハロゲンヘッドライトでは不利にはたらくともいえよう。

絶対装備したいのは安全関連のオプション

3)シートヒーター

 意外なところで人気が高まっているのがシートヒーター。一部ハイブリッド車などでは標準装備となる車種もあるように、その動力システムの特徴からハイブリッド車はユーザーの間で“ヒーターの効きが悪い”との声も多いこともあるため、ニーズは一部のハイブリッド車になるのかと思われた。

 だが、シートヒーターを活用すれば、空調操作による室内暖房負担が軽くなりエコ走行につながるとして、一般的なガソリン車などでオプション装着となっていても積極的に装着される傾向が目立っているとのことである。

4)スーパーUVカットガラス

 男性目線ではなかなか気がまわらないが、スーパーUVカットガラスも女性ドライバーを中心にオプション品として注目されている。軽自動車やコンパクトカーなど女性ドライバー比率の高いクルマでは装着するのも一考である。

5)安全運転支援デバイス

 いまや自動ブレーキなど、標準装備化されているデバイスも多いが、さらに追加でオプション装着するひとも目立つようだ。これも下取りに出すころには、新車購入時にオプションだったデバイスが新車では標準装備が当たり前ということになっていたら、中古車としての価値はグーンとアップするはず。

 事実、日本車の安全運転デバイスでは、アイサイトで先駆者的立場ともいえるスバルは、少し前には同年式の他メーカー中古車では自動ブレーキ装着車がないなか、“スバルの中古車だけは充実している”とのことで中古車人気も高まり、リセールバリューが各段にアップしたとのこと。

 またセダン系ではリヤワイパーのオプション設定があったら選んでおきたい。これはセダンの人気が高いアジアなどの新興国への中古車の海外輸出を行うバイヤーの間では、ついていると高値で取り引きになりやすいとのこと。東アジア地域で人気の高いプレミオ&アリオンはそのままでも人気が高いのだが、寒冷地仕様をオプション装着するとリアワイパーがついてくるのでさらに人気が高まるようだ。道路事情が良くなく降雨時などでの泥はねも激しいのでニーズがあるようなのである。

 またC-HRでもハイブリッドで寒冷地仕様のオプション選択が寒冷地以外でも目立っている。降雪地域以外でも広くチョイスされている背景には、PTCヒーターというものが装着されることになり、これが省エネ走行につながるとの情報が広く伝わっているようだとのことである。

 過去にはサンルーフを装着しておけば下取り査定に有利になるといわれた。それは新車購入時のオプション装着頻度が低く希少性が高いことが理由となっていた。ただ“装着頻度が少ないから”とか、“リセールバリューがアップしそうだから”と、過剰にオプションを装着するのはいただけない。まずは自分に必要なものは何かという視点で装着を検討してもらいたい。