内覧会に登場したムーミン美術館のタイナ・ムッリィハルエ館長(右)とムーミン(中央)、ヴィルピ・ニッカリ学芸員(左)

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東京・六本木の森アーツセンターギャラリーでは、2019年4月9日(火)から6月16日(日)まで「ムーミン展 THE ART AND THE STORY」が開催。「ムーミン」シリーズのアートや、作者のトーベ・ヤンソンの貴重な資料が展示されている。イラスト、絵本、小説など、さまざまな媒体で描かれたムーミンの魅力をより深く感じられる展覧会の見どころを紹介しよう。

【写真】ムーミンの原型になった「スノーク」の姿も

■ 約500点のコレクションを展示

この展覧会では、フィンランドにあるムーミン美術館と、ムーミンキャラクターズ社が所蔵するコレクション約500点が展示されている。小説第1作の『小さなトロールと大きな洪水』から『ムーミン谷の十一月』まで、9つの小説作品と絵本『ムーミン谷へのふしぎな旅』の原画やスケッチを紹介。スケッチと実際に出版された本とを比べて見ることのできるコーナーもあり、ムーミンシリーズがどうやって描かれたのかを垣間見ることができる。

また、トーベの画だけでなく、ムーミンの初期グッズやフィギュア、ファブリックといったコレクションも展示。ムーミンキャラクターズ社所蔵のイースターカードや銀行の広告、ボードゲームのパッケージなど、作品の中だけにとどまらないムーミンの多彩な魅力を感じられる。

■ 日本とムーミンの深い関係。“浮世絵”展示も

作品のみならず、トーベの生涯も本展では取り上げている。トーベが使用した画材や、本人の生活を切り取った写真が展示されるほか、「ガルム」「ルシフェル」といった雑誌に掲載された挿絵など、「ムーミン」以外でのトーベの画業も紹介する。

さらに、2019年は日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念し、トーベと日本の関わりにも焦点を当てたコーナーも設けられている。トーベが来日した際のスケッチや写真、「ムーミン」シリーズの日本語翻訳者との交流を紹介するほか、トーベ作品と浮世絵を比較した展示も登場する。

■ ここだけの限定グッズ&グルメ

物販コーナーでは、図録をはじめ、Tシャツやコットントート、タオル、果ては越前焼のムーミンまで、会場限定グッズが約250点並ぶ。 また、展覧会会場と同フロアにある「Cafe THE SUN」では、ムーミン展コラボメニューが登場。ムーミン屋敷とニョロニョロ、かたどられたムーミンがあしらわれたムーミン谷プレート(1880円)や、スナフキンの緑の帽子をイメージしたスナフキンバーガー(1580円)など、作品の世界観やキャラクターを再現したメニューは全9種類だ。

■ スナフキンの声で語りかける音声ガイド

本展の音声ガイドは、声優の櫻井孝宏がナレーションを務める。「ムーミンバレーパーク」のショーアトラクション「エンマの劇場」でスナフキン役を担当する櫻井の穏やかな語り口が、展覧会の内容をさらに深く教えてくれる。音声ガイドの貸出は展示室入り口の貸出カウンターで、料金は1台550円。

展示の最後にはフォトスポットもあり、ムーミン展の思い出を写真に収めることができるので欠かさずチェックしたい。2019年3月のムーミンバレーパーク開業に続き、4月からは新作アニメ「ムーミン谷のなかまたち」が放送を開始し、ますます盛り上がるムーミンの世界。より深く知ることのできるまたとない展覧会だ。(東京ウォーカー(全国版)・国分洋平)