長期休暇中、自宅を留守にする際の注意点は?

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 今年のゴールデンウイーク(GW)は10連休となり、海外や国内旅行などで長期間、自宅を空ける人も多いことと思います。誰かが留守番をしていればともかく、家族そろって出かける人や一人暮らしの人にとっては、10日間自宅を空けるのは心配なもの。長期間、自宅を留守にする際の注意点について、ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに聞きました。

フィルターやコンセントのホコリをチェック

Q.長期間、自宅を空ける場合、出かける前の掃除や片付けのポイントを教えてください。まず、一戸建ての場合について。

有賀さん「家の換気に注意を払いましょう。湿気がこもると、水回りにカビが生えるなどして家が傷みやすくなりますので、24時間、常に換気ができるようにレンジフードファンや換気扇、空気清浄機のスイッチを入れておきましょう。フィルターやコンセント周りも、ホコリをかぶっていないかチェックしてください。洗濯機のフタも開けておきましょう。

掃除してから出かけるのが理想ですが、難しい場合、生ごみなど臭いが出やすいごみの処分を忘れずに。帰ってきたとき、『部屋が何となく臭う』ということを避けられます。また、使ったものを元に戻すなどスッキリ片付けてから外出しましょう。帰宅後、お土産や着替えの洋服など荷物を広げるスペースを確保しやすくなりますし、玄関のドアを開けたと同時に生活感あふれた部屋を目にして現実に引き戻されることなく、楽しかった旅行の余韻も楽しめると思います。

玄関先や外回りにも注意を払ってください。ささいなことかもしれませんが、自転車をきれいに並べる、落ち葉があれば掃き取るなど、外回りをきれいにしておくことは防犯上も有効です」

Q.マンションやアパートといった集合住宅の場合はどうでしょうか。

有賀さん「集合住宅の場合も、基本的には一戸建ての場合と変わりません。管理人がいる場合は、不在にする期間を事前に知らせて、宅配便の受け取りや、郵便ポストがいっぱいになっていないかなどのチェックをお願いしておくと安心です」

Q.長期間、自宅を空けた後、帰ってきたときの掃除や片付けのポイントを教えてください。

有賀さん「帰宅後、まずは家中の窓を短時間でも開け放って空気を入れ替えましょう。晴れている日なら、特に湿気がこもりやすい場所、例えば、押し入れやクローゼットの扉なども開けて、空気の入れ替えができれば理想的です。

旅行後は、職場の人へのお土産などで一時的にモノが増えることがありますので、置き場所を決めて保管・管理しておくとよいでしょう。使用後のスーツケースやキャリーバッグなどは次回、気持ちよく使えるように汚れを拭き取るなどメンテナンスしてからしまいましょう」

防犯などの注意点は?

Q.防犯など、掃除や片付け以外の注意点は。

有賀さん「防犯上、『留守にしている』と外から見て分からない状態をつくることが大切です。新聞を取っている場合、配達店に連絡し旅行期間中の配達を止める手配をしましょう。郵便物がポストに入りきらないと予想される場合、郵便局へ不在届を提出すれば、不在期間の郵便物を最大30日間保管してくれるサービスもあります。防犯をより強化したい場合、玄関扉や窓に自分で簡単に設置できる補助錠や、簡易防犯カメラ、部屋の電気スイッチをタイマーでオンオフできる製品の導入を検討してください。

当然かもしれませんが、戸締まりはしっかりチェックしましょう。『この窓は高い場所にあるから、ちょっと開けておいても大丈夫』というような窓でも戸締まりを忘れずに。身内や信頼できるお隣ご近所の人たちがいれば、留守にする旨を伝えて、地域の目で見守りをしていただくことで、より安心感が増すと思います。また、ガスの元栓を閉めること、使わない電化製品をコンセントから抜くことは、防災上も経済上も有効です。ペットの世話の手配や、植物の水やりもお忘れなく」

Q.長期間、自宅を不在にしたことによるトラブルや、困ったことの事例があれば教えてください。

有賀さん「普段から片付けが苦手で、モノが散乱した状態で長期間、旅行に出かけた人が帰宅時に探していたモノが見当たらず、『泥棒に入られたのかも』と思い込んで警察を呼んだという話があります。実際には泥棒に入られていないことが判明し、ひと安心ではあったのですが、自分でも分からなくなるくらい部屋の中がごちゃごちゃでは、せっかくの旅の思い出も水の泡になってしまいます。

整理・収納をして暮らしの土台づくりをしておけば、どこに何があるのか把握しやすく、面倒と思える片付けも楽にできて、旅行の準備や後片付けも楽しくなります。また、すっきり片付くことで部屋の中の空気循環も良くなるので、長い目でみれば家も長持ちします。ぜひ、ゴールデンウイーク前などどこかのタイミングで暮らしの土台を見直してみてください」