中国メディアは、日本の先進的な水処理技術を紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国では慢性的な水不足に加えて、近年の環境汚染悪化に伴って安全な水資源の確保が大きな課題の1つになっている。中国メディア・科技日報は19日、日本の先進的な水処理技術を紹介する記事を掲載した。

 記事は、水は生命の維持に必須な資源であり、食糧の生産、工業、環境、衛生などの各分野において不可欠な資源であるとする一方、世界の多くの地域では水資源の不足や水質汚染の問題に直面していると伝えた。

 そして、上下水道が充実している日本においても、高度成長期に多く建設された水道インフラの深刻な老朽化が進んでいるほか、大地震や豪雨などの災害発生時の対策も大きな課題になっていると説明。さらに、人口の減少や技術者の不足により、上下水道の建設、整備、運用が困難になりつつあるとした。

 そのうえで、日本企業では先進的な水処理技術が続々と開発されていることを紹介。例としてオゾン発生器を挙げ、異臭のするガスを酸化分解して無臭のガス成分に変えるとともに、ウイルスや細菌などを消滅させるほか、染料の漂白、腐植などの有色成分の分解、有機物や融解物質の効果的な分解など、その効果について伝えている。

 また、セラミック膜を用いたろ過システムによる安全な水の安定的な供給技術についても言及。直径0.1マイクロメートルという非常に細かい穴を持つセラミック膜が水中の異物や微生物、有害細菌をほぼ取り除くと説明したほか、丈夫で科学的に安定しているセラミックを用いることで、ろ過システムの運用が簡便化されるのみならず、コストも抑えることができると紹介した。

 日中間の経済交流が深まる中で、環境保護に関連する産業は中国に対して日本が大きな強みを持つ分野の1つだ。中国政府系の科学技術メディアによる紹介は、中国で水質改善が大きな課題の1つとして認識されていることの表れと言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)