復興への道は遠い(C)日刊ゲンダイ

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 福島原発事故の、いわゆる「自主避難者」のうち全国の国家公務員宿舎に居住する人が“強制退去”を迫られている。

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 避難者支援団体の「原発事故被害者団体連絡会」(ひだんれん)が25日、衆院議員会館で避難者の窮状を訴える緊急集会を開く。

 問題となっているのは、福島県が先月28日付で国家公務員宿舎に入居する自主避難者71世帯へ送った通知書。県は財務省の委託を受け避難者に国家公務員宿舎を貸しているが、契約終了となる3月31日までに退去しない場合、避難者に<損害金を請求する>と迫ったのだ。

 損害金は「2倍の家賃」。公務員宿舎は一般の家賃相場より格安とはいえ、避難者の多くは不安定な収入で働いているのが実情だ。自身も避難者で「ひだんれん」の幹事を務める熊本美弥子氏がこう憤る。

「江東区の国家公務員宿舎『東雲住宅』には、高齢で単身の避難者や、非正規で働いている避難者が多く入居しています。2倍の家賃を払うとなると、単身世帯で約5万円、複数世帯で約12万円の負担です。ただでさえ厳しい生活を余儀なくされている避難者に『損害金』を科すのも許し難いですが、転居先が決まっていない人を追い出そうとする姿勢もおかしいです」

 公営住宅は倍率が高く、転居したくてもできない状況だという。

「福島県に、今後の避難者への支援をどうするのか聞いても『個別の相談には応じる』の一点張りです。このままでは、2年前に自主避難者への住宅の無償提供が打ち切られ、行き場を失った状態に戻ってしまいます」(熊本美弥子氏)

 県は「通知内容に変更はない」(生活拠点課)とつれない答えだ。復興アピールの裏で、被災者イジメとは度し難い。