簡単にゲームボーイソフトが作れる「GB Studio」公開。ROMやウェブアプリで書き出し可能

4月21日に任天堂の携帯ゲーム機「ゲームボーイ」が発売30周年を迎えました。発売当時といえば本体が品薄となり、『スーパーマリオランド』や『テトリス』など人気ソフトと、それほど人気でないソフトを同時購入しなければ本体を販売しない"抱き合わせ商法"が批判に晒されたりしたのを覚えている人もいるはず。

そして、はじめて"自分のゲーム機"を手にした少年少女の中には「いつか自分もこんなゲームを作りたい」と思った人もいることでしょう。その"いつか"が、いまやってきました。プログラマーのChris Maltby氏は、先週ゲームボーイ向けのソフト開発ツール「GB Studio」のソースコードを公開しました。GB Studioは、HTML、CSS、JavaScriptを使ったクロスプラットフォームなアプリ開発環境であるElectronを使うことで、プログラムコードを書くことなしに2Dのミニゲームを作成可能とします。ユーザーはエディターでPNG形式のグラフィックを用意でき、キャラクターの動作を設定したり、シーン切り替えなども直観的に作ることが可能。さらにキャラクターを操作した条件によって表示されるテキスト文を編集したりできます。またGBT PlayerでBGMも鳴らせます。そして必要なすべてのコンポーネントを用意すれば、あとは多少の作業だけで実際にプレイできるROMファイルを書き出せます。



ソフトはHTML5形式のウェブアプリとしても出力可能で、WindowsやMac、Linuxといった各種デスクトップ上でプレイできるほか、スマートフォンのブラウザーでも動作させられます。

もちろん、ゲームボーイからその歴史が始まった『ポケットモンスター』のような本格的なゲームを作ることはできません。Maltby氏は「このバージョンは戦闘などないシンプルなアドベンチャーゲームを作るためのものであり、キャラクターの会話に応じた選択肢を用意して、冒険をつくることができます。まずこのバージョンの公開は、将来の機能拡張に向けた良い方法だと考えています」と述べています。