by QuinceMedia

Appleのクラウドサービス「iCloud」はGoogleのクラウドを利用していることが2018年に判明しましたが、新たに関係者が、Appleはアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のために毎月33億円以上を支払っていることを明らかにしました。

Apple spends more than $30 million a month on Amazon Web Services

https://www.cnbc.com/2019/04/22/apple-spends-more-than-30-million-on-amazon-web-services-a-month.html

Apple spends more than $30M per month on Amazon Web Services

https://appleinsider.com/articles/19/04/22/apple-spends-more-than-30m-per-month-on-amazon-web-services



AppleがAWSを利用しているという話は以前からありましたが、その詳細は明らかではありませんでした。そんななか「関係者」であるという匿名の人物がCNBCに対して新たに明らかにしたのは、Appleが2019年の第一四半期、1カ月あたり3000万ドル(約33億5000万円)以上もAWSに支払ったということ。この数字は毎年10%以上の増加をみせており、Amazonの提供するサービスの価格が変化していないことを踏まえると、Apple側のニーズが年々増してきていることが読み取れます。

2018年、AppleはAmazonに対して全体として3億5000万ドル(約390億円)を支払いましたが、2019年にはこれが3億6000万ドル(約402億円)にまで増えるとみられているとのこと。この額はPinterestやLyftを差し置き、Appleを「Amazonの最も大きな顧客」にしているといわれています。

AppleはiPhoneの市場が飽和状態に近づくにつれ、収益源としてのオンラインサービスに注目し始めました。Appleは2019年1月に初めてハードウェアではない「サービス」カテゴリの収益、つまり、AppleCare、Apple Music、Apple Pay、iCloudといった製品の利益率を明らかにし、3月には新ニュースサービス「Apple News+」も発表しています。

Appleが約1000円で新聞や雑誌を読み放題な新ニュースサービス「Apple News+」を発表 - GIGAZINE



またAppleはインフラの構築にも多大な投資を行っており、2018年1月にはアメリカのデータセンターに100億ドル(約1兆1000億円)を投資する5年計画を発表。このうち45億ドル(約5000億円)を2019年中に支払うとしました。

これまでAppleはiCloudのストレージにAWSやGoogleのクラウドを使っていると述べていたものの、その他のサービスにAWS、あるいはサードパーティーのクラウドを使っているかは明らかにしていません。しかし、2019年2月の求人で「大きくなるAWSのフットプリントを率いて、構築している人」と示されたことからも、その支出が増加の一途をたどっていることがうかがえます。さらに、情報筋は、「Appleは過去数カ月の間に『今後5年にわたってAWSに最低15億ドル(約1670億円)を支払う』という契約を結んだ」と述べています。

なお、この件についてAppleはコメントを断っており、AmazonはCNBCのコメント要請に対して返答を行っていないとのことです。