◆注目の中古スマホ市場もいずれ縮小することに

 キャリア3社による寡占状態を解消し値下げの動きを加速させるために、総務省が新規参入組の楽天モバイルを優遇しそうな節もある。先ごろ、通信料金と端末代金の「分離」に関して、楽天に限り「適用除外」とすることを検討しているとの報道もあったからだ。だが、石川氏は「その見通しは暗い」と否定的だ。

「楽天の三木谷浩史社長も『我々のテーマは携帯電話の民主化活動であり、(分離プランの適用除外という)選択肢を取るつもりはない』と否定しているように、正々堂々と戦うつもりのようです。

 ただ、楽天には頑張ってもらいたいが、携帯電話のビジネスはネットワークがもっとも重要で、これを一から築いていくのは至難の業。莫大な投資も必要ですし、アンテナを建てる場所を確保するにも、目ぼしい場所にはすでに大手3キャリアが設置している。

 日本よりも遥かに大きい米国市場でさえキャリアは4社から3社になりつつあり、楽天が苦戦を強いられるのは必至。

 定価販売となる端末が高くて売れなくなれば、スマホメーカーも苦しくなるし、新製品が売れなければいずれ中古市場も縮小する。スマホが売れなければキャリアの実店舗も減るので、ユーザーは今より不便になる……。

 ドコモを始めとする大手キャリアも犠牲者であり、結局、得をするのは料金値下げで手柄を挙げたかのように見える政府だけなのです」(石川氏)

◆いつ買い替えればいい?

 気になるのは、我々ユーザーは、いつ買い替えればいいのかという点だ。前出の三上氏が説明する。

「とりあえず、新プランを発表したドコモのユーザーやドコモに移行しようとしている人で、機種変更を考えている人は、料金改定前の5月中に契約しておいたほうがいいでしょうね。

 現行の料金プランの下なら、補助が出るので端末を安く手に入れることができますから。ドコモは新機種の販売について明言を避けており、夏の新モデルがリリースされるときにどうなるかも注意深く見守る必要があります。

 ただ、大手キャリアの新料金プランで悩んでいるくらいなら、いっそのこと、今のタイミングで格安スマホに乗り換えるのも一つの手。

 通信速度が落ちるのは昼間と夕方くらいなので、そこまで不便はないですし、いくらドコモが4割値下げと銘打って新しい『分離プラン』を出しても、平均でも3大キャリアの半額以下と通信料が圧倒的に安いですから」

 ドコモの新料金プランは、旧プランに比べて約900〜1400円ほど安くなったが、国際比較で見ても、海外のシェア1位のトップキャリアと比べると高いといった意見も少なくない。ただ、5G時代の到来を前に、ダンジョン(迷宮)のごとき複雑怪奇な料金プランによるストレスから解放されるのは歓迎したい。

◆旗振り役の菅官房長官はご満悦だったのでは……

 ドコモが発表した新料金プランの仕組みは、すでにauやソフトバンクが導入済みの分離プランとほぼ同じ体系。見直しが期待されていた「2年縛り」の契約期間や途中解約の違約金9500円はそのままだった。値下げの旗振り役となった菅官房長官は、ドコモの発表を受けて「(納得できる料金かは)最終的には消費者が判断」と感想を述べた。

取材・文/週刊SPA!編集部 写真/時事通信社
※4/23発売の週刊SPA!「今週の顔」より