今回の港区議選ポスター。過去のコスプレ写真とは違い真摯に経歴とマニフェストを訴えるものだが、これは前回の都知事選からすでに変化していた。

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 先日の東京・港区議選で、ついに当選を果たした“泡沫界のスーパースター”マック赤坂氏。

「10度 20度 30度!」「スマイル!」をはじめとしたパワーワードと、誰もが知っている政見放送でのコスプレの数々によって、知名度はあるが結局世間の評価は「怪しい人」であり、選挙戦での連敗は13を数えていた。しかし、筆者は2016年の東京都知事選でマック赤坂氏のポスターボランティアをしていた(参照:HOBL「泡沫候補のボランティアで選挙ポスターを貼りながら感じたこと」)のだが、その都知事選の時点ですでにマック赤坂の今回区議選での当選はある程度予想できたのではないかと思える。

◆都知事選の結果を考えれば予想し得た

 2016年の東京都知事選でマック赤坂氏。13連敗目となったわけだが、このときなんと6位となり、多くのテレビでの選挙速報で1画面目の一番下に表示され「大健闘」と言われた。51,056票は全体の0.771%。1%に届いていないが、これが港区に限ると、

都知事選・港区 1,171票(得票率1.057%・総投票数110,738票)

 となり、1%を超えていた。この1%という数字が実に重要な数字だったのである。

◆1%強あれば区議選は当選する

 マック赤坂氏の地元である港区では都知事選の時点で1%を超える支持が集まっていたわけだが、今回の港区議選での当選ボーダーは1,089票(得票率1.020%)であり、マック赤坂氏はすでに都知事選の時点で票数・得票率をともに上回っていたのである。

 つまり、マック赤坂氏は都知事選で得た支持者をそのままキープできれば港区議選で勝利するのは「当然」だったのである。今回の得票数は1,144.441票・得票率1.683%であった。ほぼ支持をキープし、30位での当選を果たしたのである。(補足:票数に小数点があるのは赤坂氏がもうひとり立候補していたため按分が生じているものと推測される)

 ではなぜ、マック赤坂氏に1%を超える支持が集まったのであろう。元ポスターボランティアから見た「マック赤坂氏の戦い方」の変化を見てみよう。

◆10年以上つづけていたコスプレからの変化

 そもそも、筆者が マック赤坂氏のポスター貼りボランティアを志願した理由は主に2つだ。

・都知事選でのポスターが実にまともであったこと
・ポスター貼りをしてみたかった

 マック赤坂氏への興味と、ネットで気軽にボランティアを募集しており、簡単にポスター貼りを経験できるという安直なボランティアだった。しかし、ポスター貼りのボランティア作業を連絡していただけたスタッフの電話は実に丁寧で、一切ふざけていない。送られたきた都知事選のポスターは当時、あのマック赤坂がコスプレせず、公約がきれいに見やすく書かれた「まったくふざけていない」ものであった。

 赤・青・白を基調とした見やすい構成、プロフィールとマニフェストがバランスよく読みやすい「数・大きさ」でまとめられている。今においても名前と顔だけの何が訴えたいのかまったくわからないものや、文字ばかりで見づらいものなどセンスのないポスターは山程あるし、以前のマック赤坂氏のポスターも正直ネタのコスプレ写真でそれ以上でもそれ以下でもないものばかりであったが、この時、真剣にポスターを見た有権者はその変化に気づいてくれたのだと思う。

 マック赤坂という名前でついつい過去の政見放送やポスターの印象が強くなりがちなのだが、この東京都知事選から明らかにマック赤坂氏は変わっていた。「実はマジメにやれる人なんじゃないか?」と。

 もちろん、10年以上「ふざけている」印象を与えた反動の効果もあっただろう。「マック赤坂が宇宙人の格好をしていない!」「スマイルどこいった?」といった反応も当時はあった。さらに政見放送においてもスーツで登場し、スマイル! も出たが基本はマジメな政策を訴える合間での、わずかなものであった。