2020年春iPhone 8後継機発売?から次期macOSが大幅強化?まで。最新アップルの噂まとめ
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アップルとクアルコムが電撃的に和解を発表し、世界に驚きが駆けめぐった4月の半ば。舞台裏では色々あったようですが、2020年のiPhoneが5G対応に向けて大きく前進したのは間違いなさそうです。

2020年春にはiPhone 8後継機が発売?から次期macOSが大幅強化?まで、今週紹介した、最新のアップル噂まとめをお届けします。

アップル、定額ゲームサービスに約560億円を投資?対Android巻き返しへの切り札か



今年秋のスタートに向けて準備中とされる、アップルの定額制ゲームサービス「Apple Arcade」。アップル側の予算規模は、遊び放題になる100以上のゲームの大部分に対して1作当たり数百万ドルが提供され、総額で5億ドル以上が投じられるとの観測です。

さらにリリース当初はApple Arcade独占提供、Google Playストアなど他社サービスで販売しない条件に同意した場合は、ゲーム開発者に追加のインセンティブを支払い。そして数ヶ月の独占期間が終わったあともAndroid向け販売は許されない――という、スマートフォン市場での巻き返しを強く意識させる内容が伝えられています。

Apple Arcadeの特徴は、1つには大手企業よりもインディータイトルに力が注がれていること。第2に基本無料でゲーム内課金のF2Pに対して苦戦を強いられている買い切りゲームにあえて特化していること。もしかしたらゲーム業界の流れ自体を変える台風の目となるのかもしれません。

iOS 13、iPadで複数ウィンドウの表示やアンドゥが強化?多くの新機能が追加のうわさ



今年6月3日から開催予定の開発者イベントWWDC19で発表と見られる、次期メジャーバージョンiOS 13。その開発事情に精通している人物が数々の新要素を伝えたとのニュースです。

大きな変更点は3つ。まずmacOS Mojaveが先行していたダークモードが、ようやくiOSでもサポート。黒を基調にした画面は目に優しくなるとともに、有機ELデイスプレイのiPhone X系にとっては省電力となってバッテリー持続時間の向上が期待できます。

iPad向けには、現行のSplit Viewの「画面を二分割」を超えた複数ウィンドウを同時表示できることに。それらウィンドウは自由に配置や積み重ねることができ、ようやく「市場の92%のノートPCよりも速い」と謳われたiPad Pro(2018)の真価が引き出せるかもしれません。

第3の「アンドゥ(取り消し)機能の強化」は地味ながらも待望されていた変更点。10インチを超えるiPad Proを物理的に振るという無茶は求められなくなり、「キーボード領域の上で3本指でタップ、左右にスライドして取り消し/やり直しができる」という身体にやさしい仕様となりそうです。

アップルは大手メディアをひいき?ニュース読み放題Apple News+に一部出版社が不満

Apple

まだサービス開始から1ヶ月に満たないニュース購読サービス「Apple News+」に対して、参加した中小の出版社から苦情が寄せられているとの報道です。

1つは既存の雑誌なり記事を同サービス向けに最適化するためのデザインリソースおよび記事テンプレートの提供について。このうちアップルは記事テンプレート、つまり個々の雑誌について別々に作るべきひな形を満足に用意してくれず、結果として社内で独自テンプレを作れる大手出版社と優先的に協力し、中小へのケアは疎かにされているとのこと。

アップルとのコミュニケーションについても、厳選された出版社のみがプライベートなSlackチャンネルに招待されているのに対して、その他の企業にはメールアドレスが知らされているのみ。いわば「コミュニケーション格差」が設けられているそうです。

そして雑誌や記事のPDFデータをApple News+向けに変換する、アップル公式ツールにも現状ではバグが存在し、そのため各号ごとに何度もコピーやデザイン編集を重ねる、よぶんな作業コストが掛かるとされています。

各出版社にとってはアップルは唯一無二の定額制サービス配信元。しかしアップルにとって各社は「300誌以上の1つ」に過ぎないという、意識のすれ違いが生じているのかもしれません。

4.7インチのiPhone 8後継機が2020年3月に発売?価格は約7万3000円か



2018年の最新モデル発売以降、最も小さいサイズはXSの5.8インチとなったiPhone。そのラインナップに、iPhone 8のデザインをベースとした4.7インチ型が復活するとのサプライチェーン情報です。

台湾の新聞メディア経済日報は、本モデルは2019年秋の新型iPhoneと同じSoCのA13(仮称)を採用、LCDディスプレイで背面シングルカメラ、価格は約7万3000円と報じました。

これ以上の詳細な情報はありませんが、iPhone 8のデザインを継承するなら、ディスプレイ上下にある広めのベゼルも残るはず。同じく過去デバイスのデザインを受け継いだ第5世代iPad miniや第3世代iPad Airのように、Touch ID付きホームボタンも続投するのかもしれません。

そして約7万3000円という価格は、最近のiPhoneの中では低めに抑えたもの。iPhone SEの4インチほどではないがコンパクトかつ財布に優しい設定で、もし発売されたなら日本でも根強い人気が得られそうです。

iPhoneでアップル製品も友達も探せる? 紛失防止タグと新アプリ開発中とのウワサ

Apple

アップルが「iPhoneを探す」と「友達を探す」の2つを、1つの新アプリに統合すべく開発を進めているとの噂です。この機能はiOSアプリをmacOSに移植しやすくする"Marzipan"により、両OSで利用可能になるとのことです。

友達をそうそう探したいかはともかく、AirPodsなど他のアップル製品が検索できるのは有り難いはず。デバイスを「紛失モード」にして他人の使用をロックしたり、サウンド再生で居場所を知らせたりもできるそうですが、現行の「AirPodsは充電ケースに入れると探せなくなる」仕様も変るのか気になるところです。

アップルの「探す」対象は自社製品に留まらず、あらゆるアイテムを追跡したい意向とのこと。そうした狙いから、紛失防止タグ「B389」なる新型ハードウェア製品も開発中とされています。

どんな持ち物にも付けられるタグで、離れすぎると通知され......といった仕組みは従来の他社製品と大差なさそう。ただし「紛失モード」になると持ち主以外のアップル製品からタグが読み取り可能となり、持ち主に自動通知されるという落とし物ネットワークが目新しいところです。

ゆくゆくは、全世界に普及したiPhone等が落とし物を探す"目"となるクラウドソーシングネットワーク構築を計画しているとの展望も伝えられています。

アップル、対クアルコム和解で50〜60億ドルの支払い。さらにiPhone1台当たり8〜9ドルのライセンス料



さる4月17日にアップルとクアルコムが2年にわたる訴訟合戦を終わらせる和解を発表。このためにアップルがクアルコムに支払った額は秘密とされていましたが、クアルコムが1株当たり2ドルの収益増を発表したことからアナリストが逆算した数字が報告されました。

ざっくり仕分けすれば、アップルの支払いは「1回払い」と「今後の支払い」の2つ。前者は、この2年もの訴訟の間に同社がクアルコムに支払いを止めていた特許使用料で、50億ドル〜60億ドルとのことです。

もっと驚くのは「今後の支払い」、つまり生産するiPhone1台ごとに支払う特許使用料。なんと1台当たり8〜9ドルとされ、以前アップルの重役が訴訟で「高すぎる」と証言していた1台当たり7.5ドルのロイヤリティを超える額が推定されています。

両社の和解からわずか数時間後、アップルに5Gモデムチップ提供と見られていたインテルが同事業から撤退を発表。もはやクアルコムと提携するほか「2020年iPhoneで5G対応」を実現する道がなくなったアップルにとって、高額のロイヤリティ支払いは不退転の決意の表れだったのかもしれません。

iPhone2019年モデルは自撮りカメラが大幅強化?背面カメラはソニー製で超広角とのアナリスト予測



Digit.in/Onleaks

「2019年iPhoneではカメラが強化される」との噂は何度も報じられてきましたが、前面の自撮りカメラについての具体的な予測です。そのソースはアップル関連の情報に詳しい有名アナリストMing-Chi Kuo氏で、かなりの信ぴょう性があります。

まず3機種(5.8インチ/6.5インチのOLEDタイプと6.1インチのLCDタイプ)とも、前面カメラが従来の7MPから12MPに強化。レンズも既存の4枚構成から5枚構成に変更されるとのことです。

さらにOLEDモデル2つは、おもに背面トリプルカメラを採用。これまでハイエンドモデル、すなわち6.5インチ(iPhone XS Max後継機)のみと予想されていましたが、5.8インチ(iPhone XS後継機)にも搭載される見通しに改められました。

そして"XR2"(iPhone XRの後継機)も背面シングルカメラがデュアルカメラへと移行するそうです。Kuo氏は以前、iPhone XRの出荷予測を下方修正したさい、理由の1つとして「デュアルカメラが多くのユーザーから望まれている」点を挙げていましたが、ちょうど弱点を補うかっこうです。

さて、上位モデル2つはトリプルカメラ化ということで、追加される3つ目のカメラは12MP/1umセンサーを採用したソニー製の超広角カメラが搭載とのこと。こちらの観測も、米Bloombergが報じた「広角」強化の噂と一致を見ています。

興味深いのは、3台目のカメラや自撮りカメラが「目立たない」ように、カバーガラスに黒のコーティングが施されるという予想です。見かけは些細なようでいて、左右非対称のトリプルカメラ予想画像が公開された当時はかなりの物議を醸していました。やはりiPhoneは卓抜したデザインも不可欠の要素なのでしょう。

macOS 10.15ではiPadを液タブ代わりに絵が描ける?新機能を開発中のうわさ

Mac+Apple Watchの連携がさらに強化?次期macOS 10.15のうわさ

Macに「Siriショートカット」や「スクリーンタイム」追加? iOSから移植のうわさ



次期メジャーバージョンと予想されるmacOS 10.15につき、諸々の噂が飛び込んできました。すべて米アップル関連情報サイト9to5Macが「macOSの開発に精通している情報筋」から得たものとされ、いずれも同じ情報源と思われます。

第1にMacの外付けディスプレイ機能が大幅に強化され、iPadをMacのサブディスプレイ化できるLuna Displayと同等の利便性が提供されるとのうわさ。

つまり、Apple PencilがサポートされているiPadの場合は「外部ディスプレイ上でペンにより絵が描ける」ワコム液タブに匹敵する活用ができるということ。絵描きやデザイナーは注目必須でしょう。

次に報じられたMacとApple Watchの連携強化は、MacのアンロックやApple Payの購入完了以上のものとされています。

具体的な詳細は不明ですが、9to5Macは「現在Touch IDで認証できる全ての操作」にApple Watchを通じてアクセスできる可能性があると推測しています。

しかし「Apple Watchを身につけているだけでiTunesの支払い完了」などはとてもセキュアとは言えず、かといってApple Watch上で何らかの認証操作を求められるなら、Macのキーボードで入力した方が早いのではないかとの疑問もあります。ぜひともアップルには、そうした予想を超える改善を望みたいところです。

もう1つは、iOS 12のSiriショートカットやスクリーンタイム機能のmacOS上でのサポート。こちらは確実に便利になりそうですが、一方では「iOSとmacOSを統合する」Marzipanプロジェクトが進行している兆候とも言えそうです。

macOS 10.15は、iOS 13と同じく6月のWWDC19にて発表される見通し。「アップル製品を買えば買うほど便利になる」ようなデバイス同士のリンクを深めて頂きたいところです。