最近なんだか寝つきが悪い…そんなときに試したい「入眠儀式」って?

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◆最近なんだか寝つきが悪い…そんなときに試したい「入眠儀式」って?

職場や学校など、なにかと変化の多い春。慣れない環境でのストレスや緊張のせいか、よく眠れなくなる人も増える季節です。ぐっすり眠り、質のいい睡眠をとることこそ、元気の源。心身の疲れを感じやすいこの時期、毎日よい眠りへとスムーズに入るためのコツとは? 睡眠コンサルタントの友野なおさんに伺った。


寝る前の光、食事、エクササイズは眠りにつきにくくさせる要因に。この3つには要注意!
「最近寝つきが悪い」、「寝つきは悪くないはずだけど、最近なかなか眠りに入れない日がある」…悩みというほどじゃないけれど、そんな日は誰にだってあるもの。でも、きちんと眠って、元気に明日の仕事もがんばりたい。そんなときは、どうすればいいの?

「まず、眠る前には光の刺激は避けたほうがいいですね。テレビやパソコン、スマホなどを眺めていると、脳が覚醒してしまうので、寝室には置かないほうがいいでしょう。また、寝る前にヘビーなものを食べると、睡眠の質が下がってしまいます。食べると消化器官を動かすため内臓の温度は上がることに。人間は内臓の温度が下がると眠くなるようにできているので、就寝3時間程度前までには食事を終えておいたほうがいいでしょう」と友野さん。

また、がんばりやさんはダイエットなどで就寝前にエクササイズする人も多いが、腹筋やダンベル体操など、筋肉への負荷が強く、心拍数が上がる=キツい運動は避けたほうがいいそう。就寝前ならヨガやストレッチ程度のゆるやかな動きにおさえ、あくまで体をリラックスさせる程度にしたほうが、質の高い睡眠を得られる。これらを避けることは、まずスムーズに眠るための基本として覚えておいきたい。


自分なりの「入眠儀式」を作っておくと、いつでもスムーズによい眠りが訪れる
「また、自分なりの『入眠儀式』をもっておくと、いつでもスムーズに眠れるようになって便利です。『毎日就寝前に行うこと』を決めておくことは、寝つきをよくするために効果的です」(友野さん)。例えば友野さんは、眠りにつく前に照明を暗くし、毎晩お気に入りのパジャマに着替えることで、完全にオフのモードに入って眠りにつけるそう。同じ行動を毎日続けることで、「これをすれば眠くなる」というパターンが脳と体にすり込まれ、意識せずに自然と眠気が誘発されるようになるそう。

「部屋着のままで寝ている人がとても多いですよね。そこでパジャマに着替えるというワンステップを加えるだけで、『これから眠るぞ』と体に自覚させることもできます。パジャマでなくても、アロマスプレーをかぐとかマッサージをするとか、自分が心地よいものならなんでもOK。毎日寝る前にすることを決めておくだけで、入眠はスムーズになります」(友野さん)。ただ、マッサージチェアなど、器具や高価なものが必要なものは持続が難しかったり、場所が変わるとできなかったりするため避けたほうがいいそう。身近なもので、負担なく続けられることを選ぶのが、重要なポイント。


疲れがひどいときには、「筋弛緩運動」がおすすめ。1セット10秒で、心身の緊張をほぐせる
それでも特に疲れがひどいときなど、眠れないときにはどうしたらいいの?「心身にストレスが多いと、ベッドに入っても緊張状態が続いてしまうことがあります。そんなときは、1セット10秒の筋肉をゆるめる運動をするだけで、入眠に違いが出ます」と友野さん。その運動は、筋弛緩運動。筋肉を緊張させてから脱力することで、筋肉のコリをほぐし、精神の緊張もほぐしてくれる効果が期待できます。

【筋弛緩運動のやり方】
(1)顔、手、足にギュッと力を入れ、5秒間そのままキープ。目はつむり、手はグーに、足はつま先が天井を向いている状態に。
(2)全身の力を抜き、5秒間リラックス(手はパーに。つま先もリラックス)。これを5回繰り返し、最後に腹式呼吸をゆっくり3〜5回繰り返して終了。

入眠儀式、そして身体ひとつでできる筋弛緩運動を覚えておけば、ストレスフルな日でも、スムーズにぐっすり眠れそう! 簡単にできるセルフケア法、ぜひ覚えておいて、役立てたい。

教えてくれた人
友野なお
睡眠コンサルタント、株式会社SEA Trinity代表取締役。千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科 修士号。日本睡眠学会正会員。自身が睡眠を改善したことにより、15kgのダイエットや体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。全国での講演活動、執筆など幅広く活躍。著書に『正しい眠り方』(WAVE出版)ほか多数。