事故が起きたエレベーター。スロープもあるが、多くの業者は時間のかからないエレベーターを利用するという

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ターレーを運転していた男性がエレベーターに挟まれ死亡

事故が起きたエレベーター。スロープもあるが、多くの業者は時間のかからないエレベーターを利用するという

「半年で二人も死人が出るなんて異常ですよ。築地時代にも事故でケガ人が出ることはありましたが、それでも死亡事故は滅多にありませんでした」(『東京魚市場卸協同組合』の三浦進理事)

 4月8日の午前0時5分頃、豊洲市場(東京都江東区)の水産仲卸売場棟一階で、小型運搬車・ターレに乗っていた運送業の男性(50)が、荷物搬送用エレベーターに挟まれて死亡した。エレベーターの扉は上下に開閉する仕組みで、男性は閉まりかけた扉に挟まれ頸椎や下顎を骨折。病院に運ばれたが、約5時間後に死亡が確認されたという。

 事故の原因の一つは、エレベーターの安全性に問題があったことだと考えられている。

「エレベーターには、閉まる際に異物にぶつかったり、ぶつかりそうになったりすると扉が開くよう安全装置が付いている。都は『安全装置は正常に働いた』と言っているようですが、実はこれまでに何度か安全装置が作動しないケースもあったようです。そもそも、上下に開閉する扉自体が危険だという見方もあり、都の安全対策には疑問が残ります」(豊洲市場に詳しい一級建築士・水谷(みずのや)和子氏)

 ’18年10月に豊洲市場がオープンしてからわずか半年で起こった悲惨な事故。だが実は、死亡事故が発生するのは今回が初めてではない。’18年11月には、今回と同じ仲卸棟でターレの荷台部分に乗っていた女性が、カーブを曲がる際に荷台から振り落とされて死亡している。

 なぜ、半年という短期間に二度も死亡事故が起こっているのか。

「豊洲市場水産仲卸売場棟の根本的な問題は、5階建てにしたことです。上の階に上るために危険なエレベーターやスロープを使わなくてはいけませんし、通路が狭いため、ターレ同士の衝突事故も起きやすくなるのです」(前出・水谷氏)

 この問題だらけの構造について都にFAXで問い合わせると、都からは「再発防止に向け、安全管理の徹底に取り組んでいきます」という常套句が返ってきた。

 事故が頻発する豊洲市場の"呪い"を解くためにも、都はもう一度、安全対策を見直すべきかもしれない。

オープン直前に敷地内のひび割れなど次々と問題が発覚したが、小池都知事は問題の解決に積極的ではなかった

PHOTO:鬼怒川 毅(2枚目写真)