おめでとうございます!(左から)蜂須賀健太郎監督、下野紘、井桁弘恵

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 人気声優の下野紘が20日、都内で行われた実写初主演映画『クロノス・ジョウンターの伝説』の公開記念舞台あいさつに出席。サプライズで39歳の誕生日を祝われた下野は、気恥ずかしそうにしながらも「39(サンキュー)!」と応えて、会場を沸かせた。

 「黄泉がえり」などの梶尾真治のSF小説を映画化した本作は、主人公・吹原和彦(下野)が、物質を過去に送ることが可能な放出機クロノス・ジョウンターを使い、思わぬ事故で命を落としたヒロイン・蕗来美子(井桁弘恵)を救おうと過去に向かうさまを描く。この日、壇上には井桁と蜂須賀健太郎監督も登壇した。

 「やっと公開です」と感慨深げな様子の下野。「主役という形で映画に出る、声優をやりながらそんなことになるなんて思いもしなかった。何も分からないなか、最初の撮影はグリーンバックで、井桁さんと抱きしめ合うシーンで、おじさんはどうすればいいんだろうって。声優をやっていたらそんな経験はまずできない。試行錯誤しながら頑張りました」と照れ笑いで撮影を振り返った。

 対する井桁はファーストシーンから堂々としていたそうで、下野は「(映画で)初めてのメインヒロインだったんですよね。なんか全然、そんな感じがしなかった」と井桁に感心していたとのこと。「自分より下手すれば娘レベルで年下なのに。一緒に撮影していてもちゃんとしているというか、来美子というキャラクターを自分の中でちゃんと思い描きながら演じていて、撮影中もこうした方がいいですかとか、自分から提案しながらやっていて助けられた」と井桁に感謝しきりだった。

 和彦を「どう演じよう」と思い悩んでいたという下野は、「井桁さんの演技や姿勢に助けられたし、ほかの出演者の人にも助けられながらできた。周りの方々のおかげで演じきれた気がします」と述べ、「短い時間でいろんなものを構築していかないといけないという環境。撮っていない時間も、脇にいる人たちとこうしたらいいんじゃないかとか、話し合って撮影を進めることができた。短い時間だからこそ出てくる集中力というのもあったのかなって今にして思います」と述懐すると、「公開できてよかった」とホッとした表情を見せた。

 これに井桁は恐縮しつつも、「下野さんは細やかな演技がすごくお上手。スケジュールがタイトななかでも、声優だからか分からないですけど、ちょっとした息づかいとか、その演技力にわたしこそ助けられました。楽しく来美子を演じられたのは下野さんのおかげです」と語った。

 また、翌21日が下野の39歳の誕生日とあり、イベント中にはサプライズでお祝いする一幕も。会場からのバースデーソングに「30代最後の誕生日ですよ」と気恥ずかしそうな表情をのぞかせた下野は、39歳に絡めた「39(サンキュー)!」という感謝の言葉で会場を盛り上げた。(取材・文:名鹿祥史)

映画『クロノス・ジョウンターの伝説』はシネ・リーブル池袋ほか全国順次公開中