中国メディアは、なぜ日本人は家を買おうとしないのかと題する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本人の平均年収は、ここ数年420万円程度だ。中国の平均年収と比べると、日本のほうがずっと高いことになる。しかし、中国人は日本人のお金の使い方に疑問を感じるという。中国メディアの今日頭条は17日、なぜ日本人は家を買おうとしないのかと題する記事を掲載した。

 中国人が疑問に思うのは、中国人の常識では経済的にゆとりがあれば投資するのが当然で、投資先としては長年不動産が確実とされてきたからだ。それなのに、「大卒で月給20万円ももらえる」のに不動産に夢中にならない日本人が不思議だとしている。そのかわりに、少しでも手もとにお金があれば銀行に預ける、と投資よりも貯蓄を好む日本人の習慣に疑問を示している。

 この理由について記事は、「バブル崩壊の苦い経験ゆえだ」と分析。バブル崩壊後は不動産価格が暴落したが、その後は上がらず下がらずの価格が安定した状態であるため、不動産投資先として魅力がなくなったと論じた。さらに「物価」も上がらず安定していること、中国と違って「中古住宅の価値が低い」こと、日本の会社には「転勤」が多いことなどがあると指摘している。

 ほかにも、贈与税で子どもに譲り渡す際の負担も大きいため、購入をためらうようだと、中国との税制の違いも紹介している。現在では、所有しているのが負担になり、損をしてでも売りたいという持ち主も多い。記事は最後に、日本では賃貸制度が良く整っており、家を買わずに賃貸住まいをするのも1つの魅力的な選択肢となっていると伝えた。

 不動産をめぐる考え方は、日本と中国とでは全く異なっていると言えるだろう。日本人は、ライフスタイルによっては賃貸でも構わないという合理的な考え方ができるが、中国ではメンツが能力に見合った生活をさせないのが実情であるほか、結婚するためにはマーホーム購入が欠かせないという考えが強い。記事に対するコメントにも「昔は日本を悪く言っていたが、今はうらやましくて仕方がない」という実感のこもった声が見られた。必要なら買うし、要らないものは要らないと言える日本の生活は気が楽と言えるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)