入社から2週間が経った頃だが、すでに「辞めたい」という新入社員も少なくない。※画像はイメージです

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 新年号「令和」の発表とともに始まった4月からの新生活も2週間が経った。いかにも着慣れない真新しいスーツ姿の新社会人を見かけることも多いが、その中には、もうすでに会社や社会人生活に疲れ果て、「見切りをつけた」なんていう若者もいるようで……。

◆企業の“表と裏の顔”に辟易、現場はパワハラだらけ

「もともと入りたかった企業に就職できましたが……上司に媚び売って、あそこまでへりくだることが“サラリーマン”なのかと」

 ガブガブとモスコミュールを飲みながらうなだれるのは、慶応義塾大学を卒業後、都内の大手商社に就職した丸谷祐一さん(仮名・23歳)。父親の仕事の関係で中学までアメリカ・サンフランシスコで過ごし、帰国後は首都圏の超進学校に通った。

 高校時代にはフランスにも1年間留学しており、英語、日本語、フランス語が堪能。それに少しだがスペイン語も話せる。そんなエリート街道まっしぐらの丸谷さんがぶち当たったのは、古めかしい日本の企業文化である。

「OB訪問をして、素晴らしい企業だと思い入社しました。しかし、憧れていた先輩社員は直属の上司に作り笑いで接し、媚を売り、飲み会で上司に『なんかやれ』と言われたら裸踊りまでするんです。今は研修期間で、残業もほぼありませんが、上司たちは21時を過ぎても普通に会社で仕事をしている。僕らの歓迎会をやった後も、こっそり会社に帰って明日のプレゼン資料を作っているんです」

 日本を代表するような企業で、世界を相手に仕事をしたい。しかし、世界で仕事をするためには、古臭い思考の上司たちをもてなし、飲み会ではバカを演じないと認めてもらえない。丸谷さんは強烈な違和感を覚えたという。

「グローバルな考え方で仕事をしなさい、入社式でもそう言われたんですが、まず社内が全くグローバル基準に至っていません。セクハラ・パワハラがそこら中で行われていて、先輩にそれを尋ねると『意見は一人前になってから』と。まるで子どもは意見すべきではない、と言われたような暗い気持ちになりました。すでに転職エージェントに相談していて、外資系企業の面談の予約を入れました」

 セクハラ・パワハラ問題という日本社会の闇が報じられるようになって久しいが、それでもなお、現場にはセクハラ・パワハラがあふれている。大企業なら特にその傾向は顕著で、表と裏の顔が全く違う。そうした現実に若者たちは絶望しているのだ。次に登場するのも、こうした日本社会の病理的な現実に打ちひしがれた一人。

◆親会社と子会社…階級社会に絶望

「入社式でいきなり差別をされたような……階級社会を目の当たりにした気がしました」

 立教大学を卒業後、都内の大手放送局子会社に就職した佐々木唯人さん(仮名・22歳)。大手マスコミを数社受けたが全滅し、内定を勝ち取った関西地方のローカル放送局と現職場で最後まで悩み、就職を決めた。

 子会社でも、実力さえあれば仕事はなんでもできる、立場なんて関係ない、場合によっては親会社に転属なんてこともある――。採用が決まった後、会社の役員にこう囁かれ、明るい未来に奮起を誓ったものだったが、現実は違った。

「多少わかっていましたが、親会社採用の人たちと、我々子会社社員の待遇がこうまで違うのかと。まず、入社式では座る位置が違う、椅子の素材まで違いましたね。親会社の新入社員からは『頑張って俺たちをサポートしてほしい』などと真顔で言われて。給与はスタートと同時に1.5倍くらいの差がある。ボーナスも、いきなり3倍近く差がある。

 親会社組は適性試験、面談、セミナーへの参加など手厚い待遇ですが、我々なんていきなり現場に配属されて、右も左も分からないところにどやされる。歓迎会も、僕らはビール一杯250円の安居酒屋でしたが、親会社組は一人あたま8000円もする高級バルだったそうです」