VAR本格導入はJリーグに何をもたらすか

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 JリーグがVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の本格導入に向けて大揺れだ。

 最大計14試合を導入する今年は、ルヴァン杯プライムステージ(準々決勝、準決勝、決勝=9月5日から)、J1参入プレーオフ決定戦(12月14日)などで実施される。来季からはリーグ戦にも本格導入される見通しだが、賛否両論が飛び交っている。

 一刻も早く導入せよと主張するのは、W杯優勝メンバークラスの大物獲得を進めているJ1神戸・三木谷浩史会長(54)だ。

 「審判の質も国際基準にしないと。VARの導入を即座に検討するべき」と自身のツイッターで発信している。これは第6節(対松本戦)で“誤審”と思われる判定で1−2で惜敗したのをうけたものだ。

 また、日本協会審判委員会では現状でも、不可解なジャッジに関してはVTRをもとにクラブ側と意見交換を行っている。

 昨季のJリーグ(ルヴァン杯含む)では全1112試合のうち219試合340シーンで判定に関する意見交換が行われた。そこで両者が明らかに「誤審」と認めた判定は72シーン。67・4%が審判団の判定が支持されたと公表したが、裏を返せば32・6%が完全な誤審だったわけだ。

 毎年Jリーグにやってくる外国人選手のほとんどが「Jリーグは誤審が多すぎる」とストレスを抱えるという。鳴り物入りでやってきたバルセロナの主力、イニエスタ(34)=神戸=もその一人。つまり判定に国際基準とのズレがあまりにもあるからだ。

 Jリーグは疑惑の判定を白黒つける「Jリーグジャッジリプレイ」(毎週金曜)という番組を公式YouTubeチャンネルで配信。原博実副チェアマン(60)らが微妙な判定について「大岡裁き」する場面が皮肉にもファンに大好評だ。

 VAR導入にはカネもかかる。1億円以上の経費は導入のネックになる。「VARに頼りすぎると今後、日本人の名審判は生まれない。何かあればVARに頼る、ではあまりに情けない」という元審判の声もある。VARは功罪が入り乱れている。(夕刊フジ編集委員・久保武司)