アカデミーで着実に実績を積み上げてきたバット氏。今回の逮捕劇が指導キャリアに与える影響は!? (C)Getty Images

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 驚きのニュースが飛び込んできた。

 マンチェスター・ユナイテッドのレジェンドで、現在クラブのアカデミーディレクターを務めるニッキー・バット氏が逮捕されたというのだ。英国のメディアが一斉に報じている。

 4月16日、マンチェスター市警に一本の通報が寄せられた。自宅で暴行を受けた女性からで、腕を負傷。病院で治療を受けるほどではなかったものの、警察に被害届を提出した。そして当局は「44歳の男性の身柄を拘束した。現在は事情聴取を行なっている」と公表。それが、バット氏だったのである。

 バット氏は運動量が豊富なセントラルMFとして鳴らし、いわゆる「ザ・クラス・オブ92」の一員。デイビッド・ベッカム氏、ポール・スコールズ氏、ライアン・ギグス氏、ガリー・ネビル氏、フィル・ネビル氏との6人衆を称える呼称で、1992年に揃ってアカデミーから昇格し、マンUの黄金期を支えたレジェンドたちだ。バット氏はマンUで公式戦387試合に出場して26得点。6度のプレミアリーグ制覇、1度のチャンピオンズ・リーグ優勝など、11のタイトル獲得に寄与した。

 
 逮捕と事件発覚のタイミングも悪かった。事件が起きた数時間後、マンUはバルセロナとの大一番を戦った。チャンピオンズ・リーグ準々決勝の第2レグで、チームは0−3で敗れて2戦合計0−4の完敗。まさにクラブ関係者にとっては泣きっ面に蜂の状況だ。

「ザ・クラス・オブ92」からはスコールズ氏にも疑惑が持ち上がっている。禁止されている“サッカーくじ”を購入したとして、FA(イングランド・サッカー協会)から告発されたばかりだった。相次ぐレジェンドのトラブルに、プレミア屈指の名門クラブが頭を抱えている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部