渡辺謙、佐藤浩市 (C)モデルプレス

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【渡辺謙・佐藤浩市/モデルプレス=4月17日】俳優の佐藤浩市と渡辺謙が17日、都内で行われた映画『Fukushima 50』(2020年公開)のクランクアップ記者会見にプロデューサーの水上繁雄氏、椿宜和氏とともに登壇した。

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本作はジャーナリスト、門田隆将渾身のノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)が原作。2011年3月11日午後2時46分に発生し、マグニチュード9.0、最大震度7という日本の観測史上最大の地震となった東日本大震災時の福島第一原発事故の現場を描く。主演の佐藤は、地元・福島出身で現場を指揮する熱血漢・伊崎利夫、共演の渡辺は福島第一原発所長の吉田昌郎役を演じる。

◆佐藤浩市&渡辺謙、9年ぶり共演の思い


渡辺は9年ぶりに共演する佐藤について、「『許されざる者』で共演したときに、『浩ちゃんの100作目にはオレどんな役でも出るからね』と言っていまして、浩一は多作なもので100本を超えてしまいましたが(笑)、この作品でその時約束した答えを出したい、それにふさわしい映画となると思いました」と明かし、佐藤も笑顔に。

質疑応答で9年ぶりの共演について改めて聞かれると「当然信頼できる先輩である渡辺謙さん。年は1歳しか違わないのですが、風格がまったく彼の方に漂っておりまして(笑)。ご一緒できてとてもありがたいですし、最初は電話で話すシーンだけで、1月以上たってからお会いできて、言い方は妙なのですが、会ってほっとしたというか、言葉は正しくないかもしれないですが、戦友のような思いを感じています」と熱弁。

渡辺は「全幅の信頼を置ける素晴らしい同志だなと『許されざる者』の時から感じている」と佐藤について語り、佐藤の存在がこの作品に出演することを決心するきっかけにもなったという。吉田所長を描く作品のオファーを前々から何度か受けていたという渡辺は「我々の仕事というのはエンターテイメントなので、この人間ドラマを映画としてどのように描けるのか、僕自身一歩踏み出せないままこの8年が過ぎていました。そこで今回伊崎を中心に、人間模様として事故で戦った男たちを描くなかで、吉田さんが大事な要素として関わってくる。そういうやり方ならば、映画として作品が成立するのだと納得し、踏み出せなかった一歩が踏み出せました。もちろんそこに、佐藤浩市という素晴らしい俳優が立っていてくれることで、この映画がエンターテインメントになるということを確信しましたし、僕はそこを頼りに吉田という男をやらせていただきました」と明かした。

◆渡辺謙「非常にハードルの高い作品」オファー受けた心境は


オファーを受けたときの心境を尋ねられると、佐藤は「人間は忘れなければ生きていけないことと、忘れてはいけないことがあると思います。当然この映画は後者、忘れてはいけないことです。それを我々はメッセンジャーとしてどう刻むか、劇場を出たときに、この映画を見てくださったみなさんがどう思うかを大事に撮影を続けてきました」とコメント。

渡辺は「この題材をやるんだというお話を伺ったときに、非常にハードルの高い作品になることは間違いないと思いました」と硬い表情を見せるも「ただ、『沈まぬ太陽』でご一緒した若松監督でしたので、その全てのハードルを超える気持ちで企画されたのだということを即座に理解し、受けて立つと言ったらおかしいですが、参加させていただこうと思いました」と決意したという。

◆佐藤浩市&渡辺謙、過酷な撮影と役作りを回顧


原発事故の責任者というシビアな状況に挑むにあたり、どう役に入り込んでいったかについて佐藤は「平素私どもの生活では縁のないところにいる人々ですので、にわか勉強でしかないんですがそういうところを見に行かせて頂いたり、読み物を読んで、浅い知識ながら入っていくしか無かったですね。人間関係も、シーンごとに順撮りしていくので、その中で作っていくしかなかったです」と回顧。

渡辺は「非常にプレッシャーのかかる役でした」吐露し「吉田所長はテレビ会議とか色んな所でメディアに出られることが多く、それ以外の人とは違い吉田所長だけは、御遺族の意向もあり本名で出すという役でした。ですので実際に皆さんによく知られているキャラクターだったこともあり、プレッシャーはありました」と負担に感じていたという。続けて「ただ助けになったのは、吉田さんの非常に近くでお仕事をされていた方々がスタジオにいらっしゃって、吉田さんについてかなり根堀葉掘り聞かせていただきまして、それでかなりいろんなことを教えていただき助けになりました。テレビ電話を切った後に何回バカヤローって言ったかを正の字を書いて数えていたなど、非常にエモーショナルな部分を教えて頂きました」と明かしていた。

◆佐藤浩市・渡辺謙、福島への現在の思いを語る


また現在の福島に対する思いについて、佐藤は「最近ニュースでも福島ことがまた取り上げられていますが、まだ何も終わっていないどころか何も始まってないのかもしれない」と切り出し「来年のオリンピックイヤーに、それを振り返りつつ、前を向くために何を考えるべきか、何をすべきかというのを皆さんに考えてほしいなと思います。自分も含めてですが」と発言。

渡辺は「震災以降、東北3県様々な場所を回らせていただいて、それぞれが抱えている現実・悩みが違うということは分かっていたのですが、福島だけは、僕たちのエンターテインメントという仕事の中で、中々力を貸すことができませんでした」と顧み「でも僕たちができる『映画』という分野で、人々にこの現実を知って頂く、こういうことが起きたのだということをきちんとみなさんに触れていただくことができる、そういう作品に関われたということが、少しだけ福島の方々に、何か、恩返しではないですけれども、時間はかかってしまいましたけれども、こういう作品を届けることができました。ということだと思います」と伝えた。

◆渡辺謙、本作への思い


最後、同作を通じどのようなメッセージを社会に伝えたいかを聞かれた佐藤は「まだ8年なのか、もう8年なのか、思いはそれぞれのなかで、衝撃的な印象の中でまだ振り返ることができない方もたくさんいらっしゃいます。この記憶がない10代の方々もいらっしゃいます。本作を見る中で是か非かではなく、何かを若い世代に感じていただきたい。様々な人に何が必要なのかを考えていただきたい、それだけを考えてやってきました」と覚悟を言葉に。

渡辺は「誤解を恐れずに言いますと、『硫黄島からの手紙』という映画をやったときに、自分を含めてこの国の民意というのは論理的に継承して、後世に何かを残していくというのがあまり上手じゃない、ということを感じていて、それは原発事故にも感じていました。もちろんこの映画は原発がいいとか悪いとかを言う映画ではなく、実際にこういうことがあったのだと検証して、次の世代に伝えていく材料にしていただきたい」と話した。

◆福島第一原発事故描く『Fukushima 50』


想像を超える被害をもたらした原発事故の現場:福島第一原子力発電所に残った地元福島出身の名もなき作業員たちは、世界のメディアから“Fukushima 50”(フクシマフィフティ)と呼ばれた。世界中が注目した現場では何が起きていたのか?何が真実なのか?浮き彫りになる人間の強さと弱さ。東日本壊滅の危機が迫る中、死を覚悟して発電所内に残った職員たちの知られざる“真実”が明らかとなる。

監督は『沈まぬ太陽』で第33回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞し、社会派・骨太な作風に定評のある若松節朗。脚本は、NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』の前川洋一、音楽は『日本沈没』や『レッドクリフ』シリーズも手がけた岩代太郎を迎え、豪華実力派キャスト・スタッフがこのビッグプロジェクトに集結した。(modelpress編集部)

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