4月17日は「恐竜の日」です。時を遡ること、約100年前の1923年の今日は、アメリカの古生物学者であるロイ・チャップマン・アンドリュース率いる探検隊が、北京からゴビ砂漠へ旅立った日。世界各地を冒険していたアンドリュース氏は、インディー・ジョーンズのモデルのひとりとも言われています。

当初、彼は恐竜の化石ではなく、古人類や古代の哺乳類化石を発掘するつもりだったのですが、偶然に小型の獣脚類や角竜類、鎧竜類など多くの恐竜化石を発見しました。また、25個もの恐竜の卵と巣も発見しました。これが恐竜の社会性への研究の端初となったことで、4月17日が「恐竜の日」として制定されたそうです。

ちなみに初めて恐竜の化石が発見された日は不明です。というのも数千年前もから人類は、恐竜の化石を装飾具にしたり、細かく砕いて漢方として使っていたようです。現在のように価値ある歴史の語り部である“恐竜の化石”として本に載ったのは、1677年イギリスでのことだったそうです。

今だに謎が多く、ロマンスを感じさせる“恐竜”は、もちろん映画の主役としても引っ張りだこです。そこで今回は、おすすめの恐竜映画を6本紹介します!

恐竜映画の本家本元!「ジュラシック・パーク」シリーズ(1993〜)

スリラー映画でありながらファミリー映画として大ヒットした『ジュラシック・パーク』(93)から始まり、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(97)、『ジュラシック・パーク III』(01)、『ジュラシック・ワールド』(15)、『ジュラシック・ワールド 炎の王国』(18)と、シリーズはすでに5作あり、2021年には最新作となる『Jurassic World 3(原題)』が公開予定です。

シリーズ開始から26年が経過しているので、恐竜についての説が更新されていて、それが映画に取り入れられています。ティラノサウルスに羽毛が生えていたという新説も登場しましたが、最強といわれるティラノサウルスが毛で覆われたモフモフだったらちょっと残念な感じになるということで、映画ではそれ以降も無毛のままでした。2017年には「羽毛ではなくウロコ説」が再浮上しており、今だに紛糾しています。

恐竜が滅びなかった世界『アーロと少年』(2016)

ピクサー製作のアニメーション映画。地球めがけて隕石が飛んできますが、スレスレのところで隕石は通り過ぎていって恐竜は滅びませんでした、というところから物語がスタート。その後、恐竜は進化を遂げて言葉と文化を持ちました。草食恐竜が畑仕事をしている姿は可愛らしくも可笑しいです。

小柄で怖がりな性格の恐竜アーロは、ある事件をきっかけに、人間の少年と共に旅をするようになります。人間はまだ進化の過程で言葉は話せず、なんとなく犬っぽい動作をしています。小柄で怖がりなアーロが、少年を守るために強くなっていく姿を、ピクサーが迫力の映像とアクションと情感で描いてくれるので、そりゃあ当然ラストは泣きます……。

恐竜で描く“人間ドラマ”『ダイナソー』(2000)

ディズニー映画『ダイナソー』は、6,500万年前の恐竜たちを描いたフルCGアニメーション映画です。動物に人間らしい感情を込めてきたディズニーだけあって、恐竜たちが本当に表情豊かです。

猿に育てられたイグアノドンが主人公で、冒頭で巨大隕石が墜落したことによって恐竜たち(猿も)が“命の大地”を目指して大行進するという物語。「弱肉強食ってどうなの?」というテーマを恐竜たちで描くという野心的な作品です。1999年のディズニー・ルネサンス終焉後でも、3億ドル超の大ヒットを記録しました。

名作!『ドラえもん のび太の恐竜』(1980/2006)

1980年製作の『ドラえもん のび太の恐竜』とリメイク版の『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』(06)があります。情感たっぷりの2006年版のエンディングには、まんまと泣かされます。それに比べると1980年版はクール。大冒険が終わって家に帰ってママに「何してたの?」と聞かれた時ののび太の返事は「ちょっとね〜」と答えるだけ。このスピード感がクールでカッコイイ!

そこからラストまでセリフはないんですが、ピー助と遊んでいたバレーボールを抱いてのび太は眠ります。バレーボールがアップになるとそのまま月にオーバーラップします。白亜紀を生きるピー助も見ていたであろう同じ月が、のび太の家の上にぽっかり浮かんでいる、という6,600万年前の白亜紀と現代が繋がる素晴らしいラストシーンでございました(号泣)!

『リアル 完全なる首長竜の日』(2013)

タイトルに首長竜が入っていて、主演は綾瀬はるかと佐藤健、監督は黒沢清と気になるポイントが多すぎるこの映画。原作小説「完全なる首長竜の日」からは、大筋は守りつつもかなり大胆な改変が行われています(原作者も承知の上)。

自殺未遂した恋人の意識に入り込りこむというSFなのですが、徹頭徹尾、黒沢節が効きまくっております。この映画をどんな作品なのか説明しようとしても、結局は「黒沢清映画です・・・」しか言えない……。タイトルの“完全なる首長竜”って何なのだと引っ張られた末に、ラストに登場する巨大な首長竜! 半年をかけてハリウッド映画にも負けないCGで作っただけあって、本物かと見紛うほどのクオリティです。異色の恐竜映画としてラインナップに入れておきたい一本です。

『シャークネード ラスト・チェーンソー 4DX』(2018)

最後に紹介するのはカルトムービーシリーズ「シャークネード」から完結作『シャークネード ラスト・チェーンソー 4DX』です。シャークネードというのはサメを巻き込んだトルネード(シャーク+トルネード)のことです。荒唐無稽さが人気のシリーズで、3作目では戦いの場が宇宙になっております。

『シャークネード ラスト・チェーンソー 4DX』では何故かタイムスリップできるので、未来や過去でシャークネードと戦うのですが、冒頭では恐竜時代にタイムスリップした主人公たちがプテラノドンに乗ってシャークネード1号を探します。楽しそうでしょ。

ちなみに僕が一番好きなシーンは「主人公の元妻がサメに食われながら目からレーザービームを出しつつ元夫に愛を告げるシーン」です(恐竜全然関係ないけど……)。

さて、恐竜映画の王道からカルトムービーまで取り上げましたが、どれもロマンあふれる映画ですし、恐竜への憧れが溢れているものばかりでした。長いゴールデンウィークに今回のラインナップをメドレーで観てみても楽しいかもしれませんよ。