火災に見舞われたノートルダム大聖堂の内部(2019年4月16日撮影)。(c)LUDOVIC MARIN / AFP

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【AFP=時事】エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は16日、大火災に見舞われたパリのノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)を5年以内に「さらに美しく」再建すると表明した。欧州を代表する建造物の一つである同大聖堂の再建に対しては、仏富豪や企業、行政機関が相次いで支援を表明し、寄付金の総額はおよそ7億ユーロ(約880億円)に達している。

 ノートルダム大聖堂は15日夜、大火災に見舞われ尖塔(せんとう)と屋根が崩落。火災は大聖堂で行われていた大規模な修復作業と関連があるとみられている。マクロン大統領は翌16日、エリゼ宮(Elysee Palace、仏大統領府)から国民向け演説を行い、「大聖堂をさらに美しく再建する。5年以内に完了させたい」と表明。2024年のパリ五輪までに再建完了を目指す意向を示唆した。

 大聖堂の再建に対しては支援の輪が広がっている。寄付活動の先鞭(せんべん)をつけたのは、グッチ(GUCCI)やイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)などの高級ブランドを傘下に置くグループ「ケリング(KERING)」で、15日夜に1億ユーロ(約130億円)の寄付を表明した。

 これに続いて16日、ケリングのライバル企業であるLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)と、その創業者でフランス一の富豪であるベルナール・アルノー(Bernard Arnault)氏の家族が2億ユーロ(約250億円)の寄付を表明。さらに仏化粧品大手ロレアル(L'Oreal)を創業したベタンクール(Bettencourt)家が2億ユーロ、仏石油大手トタル(Total)が1億ユーロの寄付をそれぞれ表明した。

 支援は国外からも寄せられている。米アップル(Apple)のティム・クック(Tim Cook)最高経営責任者(CEO)は「かけがえのない遺産を次世代のために」再建するべく支援を行うと発表した。支援額については言及しなかった。

 ドイツ・イタリア両政府も大聖堂再建の支援を表明。ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は「国家遺産修復の経験が豊富なロシア最高の専門家たち」を派遣するとの提案を行った。

 だが専門家らは再建の完了までには多くの年月がかかると指摘。1000年前に建設された仏ストラスブール大聖堂(Cathedral of Strasbourg)の修復を手掛ける財団のエリク・フィシャー(Eric Fischer)代表は、ノートルダム大聖堂の再建には「数十年」が必要との見解を示した。

【翻訳編集】AFPBB News