2019年は「日本におけるトルコ年」です。これは両国が共同で宣言し、友好と文化交流を目的として開催されるものです。2010年には「トルコにおける日本年」が開催されており、トルコ国内で180を超える文化事業が開催されました。

トルコは親日国として知られていますし、2018年のトルコへの日本人観光客も8万人を超え、来年にはエルトゥールル号遭難事件(下記に詳しく書きました)から130周年を迎えます。今年はトルコについて知る機会が増えると思いますので、まずはトルコについておさらいしておきましょう。

1. トルコってどんな国? 首都はどこ?

2. あれもこれも!? 意外と身近にあるトルコ

3. オススメのトルコ映画紹介

1. トルコってどんな国?首都はどこ?

トルコの形はほぼ長方形。アラビア半島の北部に位置し、北は黒海、南は地中海に挟まれています。緯度はほぼ日本と同じで、日本から西へ約8,600キロ、飛行機で13時間ほどかかる距離。

アジアとヨーロッパの分岐点にあり、古代から発展してきた地域です。国土は日本の約2倍。有名なイスタンブールは約1,500万人の大都市ですが実は首都ではなく、アンカラという政治の中心地が首都です。

2. あれもこれも!? 意外と身近にあるトルコ

サッカー

トルコといえば、香川真司選手(ベシクタシュJK所属)と長友佑都選手(ガラタサライSK所属)がトルコのサッカーチームで活躍していますね。2002年の日韓ワールドカップでイケメンとして一躍有名になったイルハン・マンスズ選手もトルコ代表でした。

食べ物

トルコの文化で最も日本に浸透しているものといえば、トルコ料理でしょう。ドネル・ケバブは日本でもおなじみの料理になっていますし、日本でシシカバブーと呼ばれていたシシ・ケバブもケバブの仲間。のび〜るアイスことトルコアイス(ドンドゥルマ)はアイスを客になかなか渡してくれない屋台の動画も話題になりましたね。

トルコの甘い紅茶チャイも日本のカフェなどで見かけるようになりました。トルコの映画を観てるとすぐに「チャイ飲む?」という会話が出てきます。1日に何杯も飲む習慣があるようですね。

ちなみに…

Turkey (ターキー)

トルコは通称でターキーと呼ばれています。七面鳥も同じ綴りのTurkeyですが、七面鳥はトルコ原産の鳥ではありません。

トルコ行進曲

トルコ行進曲は18世紀頃にヨーロッパで起きたトルコブームの中で、トルコの軍楽隊の音楽に刺激を受けた作曲家たちが作った行進曲のこと。有名なのはモーツァルトのピアノソナタ第11番第3楽章とベートーヴェンの『アテネの廃墟』の第4曲です。題名ではピンとこなくても聴けば誰もが知ってる超有名曲です。

トルコ石

英語でターコイズ(Turquoise)と呼ばれるトルコ石は宝石のひとつ。トルコ石はトルコでは産出されていないとのこと。トルコを経由してヨーロッパに輸出されていたからトルコ石と呼ばれたようです。

3. オススメのトルコ映画紹介

さて、続いて日本とトルコの合作映画やトルコを舞台にした映画を紹介します。トルコでは映画産業に力を入れていて国産映画が急増しています。日本で観られる作品はまだ多くありませんが、世界的に高い評価を受けている作品も多く存在します。

日本とトルコの友好125周年記念作『海難1890

日本とトルコの合作映画です。1890年に起きたエルトゥールル号遭難事件と1985年のテヘラン邦人救出劇を2部構成で描いています。

エルトゥールル号遭難事件(1890)とは?

トルコ(当時のオスマン帝国)は明治天皇への謁見のために使節団を派遣しました。その船の名前がエルトゥールル号。天皇への謁見を果たしたものの紀伊半島沖で座礁し、水没。

紀伊大島の大島村(現在の串本町)の住民たちは総出で乗組員の救出と治療に当たり、69名の命を救いました。当時のオスマン帝国でも大島村の救助活動は大きく報じられ、親日感情の起因となったようです。

テヘラン邦人救出劇(1985)とは?

それから95年後。イラン・イラク戦争最中のイランの首都テヘラン。

フセイン元イラク大統領が「イラン上空を飛ぶ飛行機は民間機であろうと全て無差別攻撃する」と宣言したことにより、各国は救出機を出してイランにいる自国民を救出しました。

しかし、JALがジャンボ機を準備していたにも関わらず日本政府は救出機を出すことをためらいます。そこで救いの手を差し伸べたのがトルコ政府。トルコ航空が215名の日本人を乗せてイランを脱出させてくれたのです。

どうして日本人を救ってくれたのか。

トルコでは「エルトゥールル号遭難事件」について小学校で学ぶそうです。その恩を返すという意味合いでの行為でした。

日本とトルコの深い繋がりを示すこの2つの事件を描いたのが『海難1890』です。内野聖陽さん主演で歴史の勉強にもなりますので、ぜひ。

ユスフ三部作『卵』『ミルク』『蜂蜜』

ひとりのトルコ人男性“ユスフ”​の半生を描く3部作。『卵』ではおじさん、『ミルク』では青年、『蜂蜜』では幼年と時間をさかのぼってユスフという人物像を描いていきます。

『蜂蜜』は第60回ベルリン国際映画祭で金熊賞(最優秀作品賞)受賞作。主演のボラ・アルタシュくんの表情が天使のように可愛いですし、それぞれの俳優が演じるユスフが魅力的です。

3組の親子の運命が交差する『そして、私たちは愛に帰る』

トルコ系ドイツ人のファティ・アキン監督作。36歳にして世界三大映画祭のすべてで賞を獲得した若き名匠です。

娼婦と暮らす父と大学講師の息子、娼婦の母と反政府活動家の娘、イスタンブールに旅立つ娘と厳格な母。ドイツとトルコを舞台に3組の親子の人生を描くヒューマンドラマ。

各賞のサブタイトルに「○○の死」と出て、登場人物の死が予言される構成でハラハラしながら見続けられます。すれ違う親子たちの悲しい物語ながらも、心温まる展開になっています。

母親を演じた女優さんの演技が素晴らしく、調べたところハンナ・シグラさんというドイツの名女優。本作で全米映画批評家協会賞助演女優賞を受賞されておられました。

え、これは……!?『ヘルケバブ 悪魔の肉肉パーティー』

衝撃のトルコ産ホラー! トルコを舞台に、応援要請を受けて山奥へ向かった仲良しの警察官たちが謎の集団と遭遇。まさに「肉肉パーティー」なスプラッター無間地獄が繰り広げられます。

“ケバブ感”はさほどですが、シーンひとつひとつ丁寧に工夫を凝らして撮ってありますし、さまざまなオマージュも見られてホラー映画への愛情を感じます。

日本との繋がりも深く、長い歴史と奥深く華やかな文化のあるトルコ。「日本におけるトルコ年」を機会にトルコの文化を知り、映画を楽しんでみてはいかがでしょうか。

Photo credit: subarcticmike on Visual Hunt / CC BY

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