筆者。大阪にて

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 新元号「令和」時代の幕開けが近づいている。

「令和時代は平成時代に比べてどう変わっていくのだろうか?」と考えたところ、やはり注目したいのは「夜の世界」。

 筆者は平成の2/3を夜の世界で生きてきて、様々な変化を目にしてきた。女子大生のアルバイトで素人さが売りだったキャバクラはいつの間にかメディアに登場し、手広くビジネスをするキャバ嬢も出てきたし、一晩で何千万円を売り上げるカリスマキャバ嬢もいる。2003年頃には新宿駅の目の前にデカデカとホスト雑誌の看板が立てられていたこともあったし、ホストがCDデビューして女子高生にキャーキャーいわれていた時代もあったっけ。

 そんな良き時代を懐古する元・ド底辺キャバ嬢が、平成から見た令和の夜の世界を考察してみました!

◆高齢化によるカリスマブーム再燃の可能性

 まず言えることは、今はキャバクラもホストも働き手側の高齢化が進んでいるということ。理由を挙げるのならば新人が入らない、もしくは入店しても長く続かないということだろう。

 一昔前のように「水商売で一旗揚げてやる」というような骨のある若者もいないし、入店する若い世代は学生ばかりで少し稼いだら水商売に浸かる前にサクッと辞めて就職する。賢い選択だと思うけれど、さとり世代らしい考え方だ。

 キャバでもホストでも、働いているのは20歳前後の学生か長年勤めている30代前後のキャストばかりで、20代中盤の層がほとんどいない。また、30代の中には1度水商売を辞めたけれど、出戻ったというキャストも多い。30代で水商売に出戻る根性があるのなら、どんな仕事もできると思うけれど。

 だが、水商売の高齢化が進むのは悪いことではない。スマホ時代の今、キャバ嬢もホストもSNSで情報を発信することができる。客にとってキャバクラやホストクラブに行くきっかけは広がるが、働き手側からするとその他大勢に埋もれてしまう可能性もある。その中で長期勤務しているキャストは、コツコツと営業を続けながら他と差をつけて売り上げを伸ばしている。

 事実、月1000万円売り上げるキャバ嬢やホストは昔よりも多いという。今、カリスマと呼ばれるキャバ嬢やホストの中には、2005年前後に起きた「第一次キャバクラ・ホストブーム」に憧れて、夜の世界に飛び込んだというプレイヤーもいる。彼らに憧れる若者達が参入し、令和時代に再び「カリスマブーム」が再燃するかもしれないのだ。

◆歌舞伎町の観光地化はより進む

 だが若者離れはキャストだけでない。最近では若い男性客の歌舞伎町離れが進んでいるという。

 理由の1つとしては東京五輪決定以降、急激に「ぼったくり店」が増加したこともあるだろう。筆者は昔から「客引き=ぼったくり」というイメージしかないのだが、今の若者は簡単に付いて行ってしまうので恐ろしい。1度ぼったくりにあった若者達は歌舞伎町を敬遠し、遊び方を知っている客のみが残ったのだ。結果、歌舞伎町の常連客は昔から変わらず、たまに若者を見ても新規の団体客か出張客ばかりになった。

 また一時、乱立していた熟女キャバクラは以前ほど元気がない。価格設定が安く時給保証も低い。そしてノルマも厳しい。集客力のあるキャスト以外は出勤を削られるので人が集まらないのだ。また一般的なキャバクラに比べると常連客がつきやすい分、新規客は入りにくい。以前は大阪に何軒もオープンしていた熟女キャバクラは、現在は老舗店のみが生き残っている状態だ。

 一方、ホストクラブは郊外の店が激減している。以前は歌舞伎町以外の街でも十数軒はあった都内のホストクラブも今では一桁ほどしかなく、10年前は「大阪のホストなら梅田」といわれていたが、今ではミナミのほうが勢いがある。今でも新店がオープンし続けているのは、歌舞伎町、ミナミ、あとは名古屋、福岡ぐらいだろう。あと、意外と流行っているのは沖縄。

 数年前からメディアでも時々取り上げられる、都心からリゾート地に期間限定で働きに出る『リゾキャバ嬢』のように、本島から沖縄に出稼ぎに来るホストが増えている。元号が変わっても沖縄の夜は変わらぬ活気を見せるだろう。

 色々書いたが、新元号になってより発展を見せるのは歌舞伎町と予想する。ますます観光地化されていくからだ。2018年にはホストが「バーレスク」のショーを行う「ホスレスク」というジャンルの店がオープンし、外国人観光客誘致を狙っていることからもそれが分かる。

 キャバクラもホストも日本特有の文化だ。令和時代の「日本の夜遊び」は、世界でも類をみないエンターテイメントな存在になるかもしれない。

<取材・文/カワノアユミ 取材協力:歌舞伎町ホストクラブL店、歌舞伎町ラウンジバーF店、他>

【カワノアユミ】
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。裏モノ・夜ネタを主に執筆。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。ツイッターアカウントは @ayumikawano